研究課題/領域番号 |
10137202
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
松田 剛 北見工業大学, 工学部, 助教授 (10199804)
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研究分担者 |
坂上 寛敏 北見工業大学, 工学部, 助手 (70271757)
高橋 信夫 北見工業大学, 工学部, 教授 (20108187)
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キーワード | 三酸化モリブデン / 水素処理 / ミクロ多孔体 / 骨格異性化 / モリブデンカーバイド |
研究概要 |
MoO_3の表面積は5m^2/gであったが、623Kで水素処理すると処理時間と共に著しく増加し6時間後に180m^2/gとなった。MoO_3および2時間水素還元したMoO_3での窒素吸着はBET型であったが、6時間以上水素還元した場合にはLangmuir型であった。このことから、水素処理によりミクロポアが生成し、表面積が増加した考えられる。そこで、N_2吸脱着等温線をHorvath-Kawazoe法により解析し細孔分布を求めたところ、高表面積を有する酸化モリベデンは平均細孔径約7Åのミクロ多孔体であることが示された。高表面積でミクロポアを有する酸化モリブデンはXRD的にはMoO_2であった。 623Kで12時間水素還元したMoO_3の耐熱性について検討したところ、窒素雰囲気では723Kまでは表面積に変化はみらなかった。773Kで処理すると表面積は170m^2/gに減少したが、窒素吸着等温線はLangmuir型であった。このことは水素処理により生成したミクロポア構造は熱的にかなり安定であることを示している。窒素処理温度673Kまでは反応時間にかかわりなく一定のへブタン異性化活性を示し、異性化活性は窒素処理温度とともに増加した。これに対して、723K以上で処理すると反応初期の異性化活性は減少したが、反応時間と共に活性が増加し、反応開始約6時間後に一定となった。定常活性を比較すると、723Kで処理したときに最も高い異性化活性が得られた。XRD測定では反応前後で結晶構造に変化はみられなかった。窒素処理温度723K以上で異性化活性に誘導期がみられることから、反応中にヘブタンと反応してカーバイドが生成し、これが異性化の活性種として作用すると推測した。すなわち、高温で処理して表面に配位不飽和、すなわち反応性の高いMo種を生成させるとこれが反応中にカーバイド化し、活性がさらに向上すると考えられる。以上のことから、ミクロ多孔性の酸化モリブデンを出発物質として用いることにより高活性のモリブデンカーバイドが調製できる可能性が示された。
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