Si中に希薄にCe金属を固溶させてバルクサンプルを真空アーク溶解法によって、薄膜サンプルを真空蒸着法によって作成した.バルクサンプルにおいてはCeSiという反強磁性物質の微量の析出が生じていたものの、約6k近傍にキュリー点を持つ強磁性相転移が観察された.キャリア濃度が10^<18>オーダーと比較的多くのCe3+が固溶しているためRKKY的な相互作用によると予想されるが、Ce濃度を変化させても残留磁化は増加するもののキュリー点が変化せず未だ不明な点も多い.Ce濃度を大きく増加させると、CeSiに代わって非磁性で強い電子相関を有するCeSi2の析出が観察される.この試料においては輸送現象に重い電子系的な振る舞いが見られた.Siマトリックス中に多様な磁性を有するCeシリサイドを分散させることによってマトリックスの物性をコントロールできる可能性が示唆される.この試料は多結晶であるためにこのメカニズムを考察するための実験が困難であるため、薄膜試料の作成を試みた.真空蒸着法によって作成された試料では、エピタキシャル膜は得られず、強磁性相転移も観察されなかった.しかしながらフェリ磁性的な振る舞いが観察された.今後はMBEを用いてエピタキシャル膜の作成を試みる予定である.
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