研究課題
発展機構を備えたソフトウェアを構築する場合、プラットフォームとしてのネットワークが発展する点も考慮しなければならない。ネットワークの発展としては、新たなハードウェアの追加などが考えられるが、この場合にそのハードウェアを利用可能にするには管理者による設定が必要である。この管理の手間を省くために、アプリケーションの自動インストールに注目した。昨年度は、アプリケーションの設定をサイト内でどのように配布するのかについて研究を行った。今年度は、実際にアプリケーションをインストールする方法について研究を行った。今年度開発したシステムAPPCSは、インストールの際に行われるファイル書換やオプション指定などの情報を保存し、その情報をネットワーク内に配布することによりインストール作業を支援する。ユーザがネットワーク内のいずれか一台のホストでアプリケーションを手動でインストールすれば残りのプラットフォームに関してはそのホストで行われたファイル書換やオプション指定の情報を元に、APPCSがアプリケーションを自動でインストールする。APPCSはネットワークの全てのホストで常時動作しており、ユーザが行うインストール作業を監視しインストール手順の情報を集める。この情報を他のホストのAPPCSに送信し各ホストでこの情報を元に自動でアプリケーションをインストールする。このとき上位機のみ起動している時に上位機が仮インストールを行い、下位機が復帰した時に再度インストールする事でアプリケーションの可用性を高めるように設計した。我々はこのAPPCSを実装し、3種類の異なるプラットフォーム持つネットワーク環境において実験を行い、共有ディレクトリ毎にアプリケーションをインストールする方法と比べインストールの手間が省ける事及びアプリケーニションの可用性が高まる事を確認した。