研究概要 |
現在廃棄物と見なされている生ゴミ(魚介類、醤油搾粕等)の資源化を目指した新しい処理プロセスの開発を目的とし、(1)腐敗性廃棄物の資源化のための要素技術としての爆砕法と、(2)爆砕廃液の超臨界水を用いた湿式酸化処理について研究を行った。 爆砕実験-生ゴミ試料として鰹の頭部と醤油の搾粕を前処理なしにそのまま用いた。ボールバルブのついた内容積30-100mLの爆砕反応器に試料を入れ、一定時間蒸煮後、バルブを開放し、爆砕操作を行った。蒸煮温度は160-250℃、蒸煮時間は0-20minとした。反応器から排出される試料を集め、ろ過、乾燥した。鰹の試料については残渣固体および爆砕反応物から得られる単純脂質をカラムクロマトグラフィーで分画しその収率を測定した。醤油搾粕については爆砕廃液中の塩素イオン濃度およびTOCを測定した。両試料とも元素分析(C,H,N)を行い、また電子顕微鏡写真による固体形状の観察を行った。さらに、醤油搾粕については連続熱水供給による熱水抽出も行い、脱塩素速度を測定し、爆砕操作と比較した。爆砕操作ではおよそ半分の水分が除去されるが、爆砕物の受器の改良によりさらなる水分除去が可能である。爆砕操作において生ゴミ自身に含まれる水分だけで十分内圧が得られた。爆砕物の性状は蒸煮時間にはそれほどよらず、温度の影響を受けた。鰹の試料では180-210℃が最適蒸煮温度であった。 超臨界水酸化分解-爆砕廃液で処理が厄介な含窒素化合物のモデル物質として2-アミノエタノールを用い、内容積3-5mLの小型回分式反応管により、250℃-550℃までの広範囲な温度範囲で、過酸化水素を酸化剤として分解反応を行った。反応率、TOC変化、主生成物(アンモニアと二酸化炭素)の収率を測定した。そして超臨界域と亜臨界域では反応率に大きな差があることを示した。
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