研究課題/領域番号 |
10144201
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
太田 幸雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00100058)
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研究分担者 |
山形 定 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80220242)
村尾 直人 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00190869)
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キーワード | 対流圏エアロゾル / 放射特性 / 化学組成分析 / 日射観測 / 積分型ネフェロメータ / 混合核 / 粒径分布 |
研究概要 |
これまで、対流圏エアロゾルの放射特性(体積消散係数、体積散乱係数、散乱の角度分布関数等)を、エアロゾルの化学組成分析結果に基づいて算出する手法を開発してきた。本研究では、この手法の妥当性を検証するために、エアロゾルのフィルター捕集時に直達日射・散乱日射の同時観測および積分型ネフェロメータによる体積散乱係数の同時測定を行った。すなわち、これらの光学的実測値と、フィルター捕集されたエアロゾルの化学組成分析結果に基づいて算出された値との比較・検討を行なった。対流圏エアロゾルを、黒色純炭素、有機物、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、海塩粒子および土壌粒子の6種類の単一成分粒子群と、黒色純炭素を核としてその上を硫酸アンモニウムの殻が覆っている混合核の7種類の粒子群から成るものと仮定した。なお、この混合核が全くない場合と、大気中に浮遊する黒色純炭素の半分と硫酸アンモニウム粒子の半分とが混合核を形成している場合、および大気中に浮遊する全黒色純炭素と全硫酸アンモニウムおよび黒色純炭素と同体積の有機物粒子により混合核が形成されている場合、の3種類の混合状態を考えた。また各成分粒子の粒径分布として3種類の粒径分布を仮定した。散乱日射量と直達日射量との比(直散比)について、実測値と、化学組成分析に基づいて算出されたものとの比較検討を行なったところ、実測値を良く再現する場合として、混合状態と粒径分布についての様々な組み合わせが得られてしまい、直散比から、混合状態および粒径分布の最適値を独立に推定することはできなかった。また、積分型ネフェロメータについては、吸引流量が小さ過ぎることがわかり、今後の改良が必要であることが分かった。
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