研究課題/領域番号 |
10145104
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小林 猛 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10043324)
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研究分担者 |
末永 智一 東北大学, 工学研究科, 教授 (70173797)
飯島 信司 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00168056)
岡野 光夫 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00130237)
関 実 東京大学, 工学系研究科, 助教授 (80206622)
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キーワード | 時間的ターゲティング / 空間的ターゲティング / ミサイル薬剤 / 磁性微粒子 / 温度感受性ポリマー / 接着阻害活性 / タキソール生産 / 走査型電気化学顕微鏡 |
研究概要 |
より高度な機能を持つターゲティング原理や新規ターゲティング素子材料の開発とダブルターゲティング能を有するシステムの工学的構築について研究した。小林は、抗体・薬剤コンジュゲイトや薬剤封入リポソームを作成し、ターゲティング機能をもったミサイル薬剤を創製した。また、磁性微粒子をリポソーム内部に封入することにも成功し、高周波磁界の印可によって必要なときに温熱との併用療法を施すことができる(時間的ターゲティング)ことを確認した。そこで、実際にガン細胞を移植した担ガンモデル動物を作成し、in vivoで遺伝子療法との併用効果を調べ、相乗的な効果があることを認めた。岡野は抗ガン剤シスプラチンを分泌できる温度感受性ポリマーの開発に成功しているので、磁性微粒子の発熱との組み合わせを検討した。すなわち温熱治療の際に初めて薬物を放出し、治療後に薬物放出が止まるといったインテリジェントシステムの構築について、引き続き研究した。 飯島は生体高分子による細胞ターゲティングを検討し、シアル酸を基本とする転移阻害性ポリマーによるガン転移の阻止を目指して、S.agalactiaeが生産する糖鎖にガン細胞の接着阻害活性があることを確認した。また、関は植物細胞から抗ガン剤タキソールを効率的に生産する方法に成功しており、本年はタキソールの生産性向上のための植物細胞の効率的な選抜方法を開発した。 末永は、生体が発する微小信号を検出するために、組織レベルで情報を拾える超マイクロ電極型デバイスの開発を進めた。走査型電気化学顕微鏡(SECM)を作成し、ガラス基盤上の細胞表面抗原の検出に成功した。
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