研究課題/領域番号 |
10145107
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 渥夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (80026088)
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研究分担者 |
秋吉 一成 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90201285)
長棟 輝行 東京大学, 工学系研究科, 教授 (20124373)
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キーワード | 細胞表層工学 / 分子ターゲティング / 新機能細胞 / 抗体可変領域 / c-Kit / キメラ受容体 / リポソーム / ガングリオシド |
研究概要 |
細胞表層に輸送局在化するタンパクの分子内情報の解析が進み、この分子メカニズムを遺伝子工学的に利用して、細胞表層へ分子ターゲティングさせる系の構築とそれを基にした人工細胞の構築をめざしてきた。田中は、セルラーゼを酵母の細胞表層に分子ターゲティングさせ、本来セロビオースやセロオリゴ糖を分解利用できない酵母を機能変換することに成功し、地球規模で再生可能なセルロースのエネルギーへの変換機能をもつ新機能細胞構築の可能性が期待された。長棟は、モノクロナール抗体HHEL-10の可変領域VH、VLとエリスロポエチン(EPOR)のキメラ受容体であるVH(or VL)-EPORのうち、膜貫通部位および細胞内ドメインをSCF受容体c-Kitに置き換えた2種類のキメラ受容体遺伝子(VH(or VL)-EPOR-Kit)を作製した。この両者をIL-3依存性マウス細胞に電気穿孔法により導入し、遺伝子導入細胞を抗生物質により選択した。キメラ受容体の発現および抗原HELと膜発現したキメラ受容体の3者の複合体をWestern Blottingによって確認した。秋吉は、天然のガングリオシドおよびシアル酸含有合成脂質をリポソームに組み込み、免疫細胞特に、T細胞との相互作用を調べたところ、リポソーム表面での糖鎖の種類および集合状態(密度)を変えることで、細胞内へのシグナル応答が直接制御しうることを見出した。また、多糖(デキストラン)とPEGとがらなる水性二相系での、リポソームの分配挙動を調べることで、リポソーム表面の糖鎖の状態に関す本情報を得ることが可能となった。
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