• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

人工タンパク質の新規設計による細胞および抗体ターゲッティング機能分子の創製

研究課題

研究課題/領域番号 10145244
研究機関九州大学

研究代表者

西野 憲和  九州大学, 有機化学基礎研究センター, 教授 (40145165)

キーワードターゲッティング素子 / 4α-ヘリックスバンドル構造 / βαβα構造体 / 細胞接着性機能 / 抗体認識機能 / 人工タンパク質
研究概要

人工分子の基本骨格であるα-ヘリックスやβストランドを連結するループ部分に、細胞や抗体等から認識される部位を持つターゲッティング分子構築のため2種の人工タンパクを合成し評価した。
まず、ループ部分に細胞接着性機能を有するRGDS配列を持つ4α-ヘリックスバンドル構造体を合成した。合成ペプチドをセファデックスG-50ゲルろ過カラムで精製し、凍結乾燥して標品を得た。各種条件下でCDおよび蛍光スペクトルを測定して構造体形成を調べた。このペプチドは水溶液中およびメタノール中でα-ヘリックス構造を示し、α-ヘリックス含率はメタノールの添加とともに増大した。二次構造の安定性をグアニジン塩酸塩による変性実験で調べたところC_<0.5>は5Mであった。また、このペプチドは水溶液中でピレンのモノマーおよびエキシマー発光が見られ、このエキシマー発光はメタノール中では消失した。これらの結果からこのペプチドはループ部分にXRGDSXという長い配列を持つにもかかわらず水溶液中で4α-ヘリックスバンドル構造を形成していることがわかる。しかしながらRGDSの領域が特定のコンホメーションを取っているかどうかは確認できなかった。このペプチドの水溶液中での安定性を調べるため、トリプシンを作用させたところ短い (D-Ala-Pro)ループ部分を持つ4α-ヘリックスバンドル構造ペプチドよりも早く分解を受けることがわかった。ループ部分の長さは4α-ヘリックスバンドル構造の安定性に影響を与えると考えられる。
また、ループ部分にテトラエチレンオキシ鎖を有する4α-ヘリックスバンドル構造体も合成した。このペプチドも水溶液中でα-へリックス構造を示し、α-へリックス含率はメタノール添加しても一定であった。このα-へリックスの安定性をグアニジン塩酸塩による変性実験で調べたところC_<0.5>は約4Mであった。このペプチドは水溶液中でピレンのモノマーおよびエキシマー発光が見られ、このエキシマー発光はメタノール中では消失した。これらの結果からこのペプチドも水溶液中で4α-ヘリックスバンドル構造を形成していると思われ、ループ部分に自由度の高いテトラエチレンオキシ鎖を有していてもバンドル構造の形成に支障がないことがわかった。しかし、水溶液中でのトリプシンによる分解実験の結果RGDS配列を持つものと同様に早く分解を受けることがわかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kinya Tomizaki, Yoshikazu Kakimoto, Hideo Akisada, and Norikazu Nishino: "Substrate specificities of artificial flavo-enzymes" Peptides Proceedings of the 1st International Peptide Symposium. in press. (1999)

URL: 

公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi