研究課題/領域番号 |
10147102
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
芝井 広 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70154234)
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研究分担者 |
奥田 治之 宇宙科学研究所, 名誉教授 (50025293)
佐藤 紳司 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60192598)
川田 光伸 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 講師 (50280558)
土井 靖生 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (70292844)
中川 貴雄 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (20202210)
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キーワード | 赤外線 / 銀河 / 星間物質 / 星間ガス / 遠赤外線 / 気球望遠鏡 / 星生成 / 赤外線センサー |
研究概要 |
本研究の主目的は、マゼラン雲の高解像遠赤外観測によって銀河系星間空聞との構造の違いを調べ、「重元素比」の影響を観測的に解明することである。これは一般的に重元素比が小さいとされる宇宙初期の銀河形成・進化過程の解明に重要なステップになると考えられる。 本年度はインドの研究者と共同でインドの気球基地から2回のフライトを行い、大マゼラン雲および銀河面の遠赤外線測光サーベイ観測を行う予定であった。これによってIRASでは観測できなかった100から200ミクロン帯の遠赤外連続光の強度マップデータが十分な解像度で得られれば、星間ダスト・ガス雲に注入される紫外線エネルギーの総量、すなわち加熱量を知ることができる。また熱平衡星間塵の色温度(100ミクロンと150ミクロンの強度比に相当)から、紫外線放射場強度がもとまり、星間ガスのおかれている環境を定量的に知ることができる。 11月〜12月にかけてインドの気球基地に遠征し、前年度、実行できなかった銀河系の星生成領域、オリオンKL天体及びその周辺の約50平方度の天域をサーベイ観測することができた。この観測データについては現在精力的に解析中である。さらに、2、3月にかけて再度気球フライトをするべく、インドに滞在中である。大マゼラン星雲の観測可能時期はますぎたので、南天銀河面の星生成領域であるカリーナ、クルックス領域、さらには銀河系中心領域のサーベイ観測を予定している。 これと並行して、金属欠乏状態の星間空間で起こると予想される観測的性質について、新たな知見を得たので成果を発表した。
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