研究課題/領域番号 |
10147104
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研究機関 | 湘南工科大学 |
研究代表者 |
鷲見 治一 湘南工科大学, 工学部, 教授 (60023686)
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研究分担者 |
柴田 晋平 山形大学, 理学部, 助教授 (90187401)
田中 高史 郵政省通信総合研究所, 宇宙科学部, 主任研究員
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キーワード | リング構造 / 超新星 / MHD / トロイダル磁場 / 宇宙プラズマ |
研究概要 |
本研究では観測で得られた超新星(SN)1987A周縁ガスの3リング構造の形成過程についてトロイダル磁場の効果に着目して、3次元電磁流体力学的(MHD)シミュレーションにより明確にすることを第一の目的としている。 研究は3次元解析のためのTVDスキームにより大規模なMHDシミュレーション解析を中心に行った。超新星爆発以前に赤色超巨星であった時代に、惑星間空間には密度が濃く、速度の遅い恒星風が存在し、爆発寸前には星は青色超巨星に進化し、密度は薄く、速度の速い恒星風が赤色超巨星からの恒星風を内側から押しながら広がって行くと考えられる。この時の流れ-流れ相互作用がもし流体的なものであれば球状の殻型の構造になるはずであるが、ハッブル宇宙望遠鏡観測では、ほぼ軸対称な、見事な3リング構造となっている。これは従来の流体力学的過程ではとうてい説明がつかない。 我々は恒星風によって外側へ運ばれるトロイダル磁場が赤道で極性が反転するために、球状の殻型の相互作用域ではプラズマを押す磁気圧は赤道方向に働き、これによって赤道帯にリングが出来ることを明らかにして来た。今回はユリシーズ観測で明かなように高緯度帯では恒星風の速度が速く、低緯度帯では遅いことをモデルに組み入れることにより、南北両半球の中緯度帯にリングが出来ることを確認した。このリングは初期の単純なモデルではあまり顕著ではなかったが、モデルを改善することにより長く安定したものになることを確認した。 本研究によってSN1987Aの3リングはトロイダル磁場の磁気圧によるものであることが確認され、当初の目的は達成された。国際会議でも発表した。
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