研究課題/領域番号 |
10147105
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
観山 正見 国立天文台, 理論天文学研究系, 教授 (00166191)
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研究分担者 |
中川 義次 神戸大学, 理学部, 教授 (30172282)
富阪 幸治 国立天文台, 教授 (70183879)
羽部 朝男 北海道大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (90180926)
松元 亮治 千葉大学, 理学部, 教授 (00209660)
花輪 知幸 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50172953)
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キーワード | 数値シミュレーション / 星形成 / 惑星形成 / マゼラン星雲 / 輻射輸送 / 星間ガス雲 / 連星 / 分子雲 |
研究概要 |
近年の観測技術の進歩によって星の形成過程や惑星系の母胎である原始惑星系円盤の物理が、構造論的にも進化論的にも観測的に明らかとなっている。それらの構造や進化の観測的事象から、総括的及び普遍的な星・惑星系の形成論の構築に至るためには、基礎物理学の蓄積に基づいた理論的現象の把握が極めて重要となる。この点で、基礎理論を踏まえた数値シミュレーションの実行は、観測との直接比較検討を可能にする上でも、また天体現象を実験的に把握する上でも、現象の理論的解析に極めて有効である。計画研究の3年度として以下の成果が得られた。 1.回転並びに磁場の効果を考慮した2次元及び3次元の計算機シミュレーションを実行して、星形成過程を解析した。その結果、星の角運動量の起源、磁束の起源の問題が数値的に明らかになった。また、質量降着期の若い星の揺らぎの成長問題が解析された。 2.磁気流体計算の実行によって、星の磁気構造などの解析を進め、局所的な磁気圧優勢領域の形成、磁気ループの浮上と円盤コロナの形成、1/fノイズ的時間変動などを示した。 3.輻射輸送過程を解析し、形成期の原始星と非常に若いT Tauri型星の状態、および形成中の原始惑星系円盤への質量降着ショックについての解析を進めた。 4.質量降着の非常に大きい原始星の進化を調べ、星形成に伴う星間ガス雲のエネルギー収支と寿命に関する研究が完成した。 5.分子雲の形成過程や分子雲の分裂過程の研究から分子雲の質量分布に関する知見が得られた。またその結果の観測との比較する研究が行われた。 6.原始惑星系円盤の内での巨大惑星の形成過程、ダスト層分裂に伴う微惑星形成過程の解析が進んだ。
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