研究課題
口径1.4mの赤外線望遠鏡について、全体計画を策定し、光学系については仕様に合致するものを購入した。[光学系]口径1.4m、主鏡f/3、カセグレン合成f/10。材質は超低熱膨張率のLOMO社シタール。可視光においてSAAOのシーイングはメディアンが0.9秒角以下なので、これを生かせるよう80%のパワーが0.5秒角の直径にはいるものとする。[架台]経緯台。駆動はフリクションドライブ。大きな移動(スルー)での指向誤差は3秒角以内、数分間のブラインド追尾誤差は0.5秒角以内とする。ある種の観測では、観測装置の計算機と連動して、人間による操作なしに運転ができるようにする。[観測装置]近赤外3波長同時撮像カメラSIRIUSをはじめ400kgまで搭載可。カセグレン焦点のインストルメント・ローテータにつける。できる限り市販汎用の部材を使用して、かつ応力や精度の解析が単純になるような構造体とする。現在、設計が順調に進んでおり、経緯台部分については、まず1/5スケールモデルを製作してベアリング・エンコーダ・制御ソフト等に関してシミュレーションを行なう。ベアリング・エンコーダの選定は完了した。制御はPCベースのUNIXの走る主計算機と望遠鏡コントローラの間で分担し、その間のコマンドの仕様を決定しつつある。本望遠鏡は1999年9月に仮組みをして制御試験を行なった後、2000年初めに南アフリカ天文台に移設し、4月から観測を開始する計画である。