研究概要 |
(1)化学量論組成のTi_<0.75>Al_<0.25>は水素吸蔵によりfcc型の水素化物となる。他方、Al過剰のTi_<0.70>Al_<0.30>やTi_<0.65>Al_<0.35>は水素誘起アモルファス化する。熱放出スペクトル(TDS)を比較すると、c-Ti_<0.75>Al_<0.25>H_xの低温側の放出ピークが、a-Ti_<0.70>Al_<0.30>H_xでは消失し、代わりに中間温度で水素の放出ピークが出現する。従って、結晶では水素は不安定なサイトを占めるが、アモルファスでは安定なサイトを占め、その結果、アモルファスの水素吸蔵量は減少し、水素放出温度が高くなると結論される。(2)Pd-H系で、空孔-水素クラスターの生成および移動の活性化エネルギーとエントロピー、および活性化体積を算出した。また、空孔-水素クラスター濃度に上限があること、空孔源について明らかにした。また、Cr,Mo,V,Nb,Taは高温・高水素圧下でNaCl構造の1水素化物を生成することを見出した。(3)異方性粉末作製に有効な、真空中で昇温し処理温度に到達後プロチウムを導入する熱処理(v-HD処理)と保磁力増大に効果のあるGa添加効果について調べた。その結果、(a)Ga添加による保磁力の増大は再結合結晶粒の粗大化の抑制と粒子表面近傍の結晶性の改善による、(b)v-HD処理後の組織はラメラー状を呈し、異方的なひずみが蓄えられているため、再結合相の異方性化を促進させることなどを明らかにした。(4)プロチウム処理で得た超細粒Ti-6Al-4V合金(粒径0.3〜0.5μm)の組織学的特徴,常温引張,及び超塑性特性について調べた。超細粒材の結晶粒界のほとんどすべては大傾角粒界である。超細粒材は1123Kにおいて,あらゆる多結晶金属材料中で最大の伸びである9000%以上と言う巨大な超塑性伸びを示した。
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