研究概要 |
1)C15ラーベス相TbFe_2の水素吸蔵による構造変化の圧力依存性を調べ、水素量が臨界値以上1.4(H/M)になると、格子の膨張により結晶からアモルファスへの変態、つまり水素誘起アモルファス化が起こることを明らかにした。2)Mn-H, Ni-H, Cr-HおよびNb-Hについて、空孔生成のエネルギー関係とその結晶構造依存性を明らかにした。また、空孔を多量に含む欠陥構造が金属-水素合金の最安定構造であることから電析金属中には多量の空孔-水素クラスターが生成されると予測し、水素熱放出スペクトルの測定により、これを支持する結果を得た。さらに、Cr-H, Mn-H, Fe-HおよびNi-H系の高水素圧下における水素圧-温度相図を作成した。3)異方性化に有効な熱処理方法である臨界プロチウム圧-温度(P-T)曲線近傍での熱処理をSm_2Fe_<17>N、化合物へ適用した。Sm_2Fe_<17>合金のP-T曲線はNd_2Fe_<14>B合金より温度に対するプロチウム圧の変化率が大きく,最適HDDR条件は低温,低プロチウム圧になることが分かった。Nd_2Fe_<14>B合金におけるHDDRによる異方性化機構を明らかにすることを目的として研究を行い、Nd_2Fe_<14>B相との結晶方位関係を保ったまま不均化,再結合させるHDDR処理であれば異方性化が可能なことを明らかにした。4)プロチウム処理によって得た超細粒Ti-6Al-4V合金の巨大超塑性伸び発現の機構を検討し、試験片の破断最先端部の直径が一結晶粒になるまで伸びることが分かった。超塑性加工による上記チタン合金の歯科用部品への適用を試みた。試作した義歯床には,表面には亀裂等も一切なく細部まで加工され,超細粒材の生体医療分野への実用化の可能性が大きいことが分かった.
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