研究課題/領域番号 |
10148102
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岡田 益男 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80133049)
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研究分担者 |
藤井 博信 広島大学, 総合科学部, 教授 (30034573)
飯島 嘉明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70005411)
青木 清 北見工業大学, 工学部, 教授 (70124542)
深井 有 中央大学, 理工学部, 教授 (80055136)
林 安徳 九州大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80010940)
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キーワード | プロチウム / プロチウム新機能 / 高容量プロチウム合金 / プロチウム占有機構 / プロチウム拡散機構 / 高密度非平衡物質 / 構造・組織制御 / 二次電池 |
研究概要 |
本領域研究は、プロチウムという元素がサブナノ格子物質に対して、どのように有用な機能を発現するのかについて、プロチウム機能の多面性を明らかにし、それぞれの材料特性の向上を図ることを目的として、平成10年度から開始された。本年度はスタートアップ研究発表会を7月に開催し、計画班(19課題)および公募班(27課題)が参加した。また、8月には、計画班、公募班研究グループの実際に実験を遂行している大学院生を中心とした研究者による、第2回若手研究者のための研究会を3日間開催し、最近の研究成果について発表、ポスターによる討論を行い、プロチウムの有する種々の機能について理解を深めた。また個々の計画研究や公募研究の連携を促し、共同研究としての成果をもたらしている。これまでに得られている主な特筆すべき研究成果として、まずプロチウムのプロセス機能を利用した材料の特性向上が挙げられる。チタン系材料に対してプロチウムの吸放出と加工熱処理を施すことにより、結晶粒はサブミクロンサイズまで微細化され、超塑性特性を約9300%へと向上させている。また、昨年度より上方修正された本領域の第2の具体的目標であるWE-NET計画の100℃以下、3mass%のプロチウム含有材料開発であるが、V量の少ないTi-Cr-V合金において、WE-NETの目標に及ばないものの、プロチウム容量を向上させたり、メカニカルグラインディングしたMgとグラファイトのコンポジットで3%の吸蔵量が観察されるなど大きな進展がみられた。 本年度の締めくくりとして、研究成果発表会を平成13年1月に開催し、平成10年度から3年目としての研究成果として、新しいプロチウム解析法やプロチウムの新機能等の研究において、初年度に得られた新しい着想による新しい結果や問題点の整理・解決が着実に推し量られている。
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