研究課題/領域番号 |
10148102
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岡田 益男 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80133049)
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研究分担者 |
藤井 博信 広島大学, 総合科学部, 教授 (30034573)
飯島 嘉明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70005411)
青木 清 北見工業大学, 工学部, 教授 (70124542)
深井 有 中央大学, 理工学部, 教授 (80055136)
林 安徳 九州大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80010940)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2002
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キーワード | プロチウム / プロチウム貯蔵材料 / 水素 / 水素吸蔵合金 / プロチウム誘起新機能 / プロチウムプロセス機能 / プロチウム固溶機能 / 結晶粒微細化 |
研究概要 |
本特定領域研究の目的は、21世紀へ向けての環境重視という強い社会的要求の背景の中で、プロチウムが持つナノプロセス機能やエネルギー貯蔵媒体としての固溶機能というポジティブな機能を総合的に理解すると共に、それぞれの材料の特性を飛躍的に向上させることである。 本領域研究の4年間の活動とその研究成果には、期待をはるかに超えた結果が得られている。これまでに得られている主な特記すべき研究成果として、まずプロチウムのプロセス機能を利用した機能材料の特性向上が挙げられる。チタン系材料に対してプロチウムの吸放出と加工熱処理を施すことにより、結晶粒はサブミクロンまで微細化され、超塑性特性を約9300%の伸びを示すまでに向上させている。本領域研究の第二の具体的達成目標である通産省のWE-NET計画の100℃以下3mass%のプロチウム含有材料開発であるが、V含有量の少ないTi-Cr-V合金において、WE-NETの目標におよばないものの、プロチウム容量を向上させ、高価なVフリーのTi-Cr-Mo合金においても、同様の特性を得ている。また、メカニカルグラインデイングしたグラファイトやMgとグラファイトのコンポジットでも7.3%の吸蔵量が観察されている。 高密度プロチウム合金中のプロチウム占有状態、プロチウム誘起格子欠陥・脆化などの基礎的課題についても、新しい知見が引き続き報告されている。プロチウムの新機能として、プロチウムを固溶したZr-Cuアモルファス合金において、Siを添加することにより、室温近傍でも、高防振特性を得ている。また、プロチウムの溶解・析出を利用し、種々のポーラス金属の作製にも成功している。従って、本領域研究の当初の達成目標は十分に達成されたと判断される。また、研究終了ヒヤリングにおいても、評価結果は「A」(期待通り研究が進展した)と高く評価された。
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