研究課題/領域番号 |
10148103
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
飯島 嘉明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70005411)
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研究分担者 |
乾 晴行 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30213135)
森永 正彦 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50126950)
毛利 哲夫 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20182157)
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キーワード | プロチウム / プロチウム吸蔵合金 / 拡散 / 配置相関関数 / 占有サイト / 脆化 / 占有状態 / 格子欠陥 |
研究概要 |
高密度プロチウム合金におけるプロチウムの高密度化や高速活性化を図るために、またプロチウムのナノプロセス機能を理解するために、現時点で解明すべき課題はプロチウム拡散やプロチウム占有位置、プロチウム誘起格子欠陥や脆化なとである。本研究はこれらの重要課題を理論的・実験的研究により多面的にかつ包括的に解決することを目的とする。特に、高密度プロチウム合金中のプロチウムの吸放出過程での長範囲拡散挙動の解明、プロチウム占有位置や電子状態の理論的研究、プロチウム化物中に導入された種々の格子欠陥の電子顕微鏡による直接観察など、従来の研究に欠如している課題を重点的に取り組むことは重要である。このため、飯島、毛利、森永、乾の各研究者は、(1)プロチウム拡散機構、(2)プロチウム配置相関関数の計算、(3)プロチウム占有状態と占有サイトの解析、(4)プロチウム化合物の形成ならびに脆化機構に関する研究を行なった。その結果以下のことが明らかになった。 (1)La-Ni、V-Ti-Ni系においてNiを添加することにより相境界が導入され、プロチウム拡散が促進された。(2)Pd-H系の1:1組成においてChalcopyrite構造が安定化され、低温において規則-不規則変態の可能性が示唆された。(3)プロチウム化物形成元素の存在がプロチウム化物非形成元素とプロチウムの結合を強くする。また、プロチウム化物が安定なバンド範囲が明らかになった。(4)La-Ni系においですべり方向を<1100>と推定した。粉砕時に[0001]転位が導入され、プロチウム化後高密度の転位のタングルが観察される。
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