研究課題/領域番号 |
10149106
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大川 尚士 九州大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00037219)
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研究分担者 |
真島 和志 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (70159143)
磯辺 清 大阪市立大学, 理学部, 教授 (70101285)
北川 進 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20140303)
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キーワード | 一次元錯体 / フェリ磁性体 / 多孔性固体 / 合成ゼオライト / 酸化物クラスター / 構造解析 / ヘテロ金属錯体 / 金属ー金属結合 |
研究概要 |
1)オキサミド基とジオキシマト基を有する新規双性架橋配位子、N,N'-ビス(2-フォルミルフェニル)オキサミドジオキシム(H_4L)、を合成して、まず単核銅(II)錯体[Cu(HL)]^-を生成させ、これにMn(II)をさせて3核Cu(II)Mn(II)Cu(II)錯体[Mn{Cu(HL)}_2](dmf)_2]を合成し、ついでKOH/Crown[18]O_6の存在下でMn(II)を作用させて、オキサミド基とジオキシマト基でCu(II)とMn(II)が交互連結された1次元鎖状錯体Mn_2{Cu(HL)}_2・4H_2Oを得た。各種磁気測定からこれはTc=5.5Kのフェリ磁性体であることが分かった(大川)。 2)銅イオンと4,4-ビピリジン及びSiF_6^<2->アニオンを骨格に用いて、非常に大きなチャンネルを有する多孔性固体を合成した。この錯体の骨格は真空下100℃でも維持され、さらに、ゼオライト5Aを大幅に越えるメタンガスを吸着しせることを明らかにした。また、平面型ラジカル配位子をベースにして、メタロセンを組み込んだ銅(I)三核錯体ホストの合成を行った。この錯体はアニオンゲストをトラップするミクロな空孔を有していることを示した(北川)。 3)4種類のタングステン酸化物クラスター、bridged double cubane型[H_4][(CP^*Rh)_4(H_2O)_2(W_8)O_<30>)]、windmill型[(CP^*Rh)WO_4]_4を合成・単離することに成功した。このうち前者3つのクラスター骨格は、バナジウムおよびモリブデン酸化物クラスターでは見られなかった新奇な欠陥構造をもっている。これらは3つのクラスターは、いずれも反応活性で、容易にtriple cubane型へ骨格変換することを見いだした(磯辺)。 4)3座配位子6-diphenylphosphino-2-pyridonate(pyphos)を持つモリブデン二核錯体MO_2(pyphos)_4(1)の両方のアキシアル位に1価のロジウムを導入することにより、4核錯体MO_2Rh_2Cl_2(pyphos)_4(2)を合成し、酸化反応によって4つの金属がそれぞれ金属-金属結合によって結ばれた4核錯体の合成を行った。さらに、錯体2の還元反応によってRh-Mo結合の開裂が進行することを見いだした(真島)。
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