研究概要 |
天然及び非天然由来の機能性色素を配位結合を用いて超分子組織化し、蛍燐光発光、光応答性エネルギー移動、電子・プロトン伝導材料としての機能性を探ることを目的とした。このためポルフィリン骨格に、強い金属-配位結合能と立体的に明確な構造体を提供できるキレート配位子を置換した配位子置換色素単体を合成し、遷移金属イオンを用いることにより、これら機能性色素が高次に配列集積組織化した超分子体の構築について検討した。 ピロールをジメチルイソオキサゾールアルデヒドとトルアルデヒド混合物と縮合させ、モノ(ジメチルイソオキサゾール)-トリ(トリル)ポルフィリンを合成した。ジメチルイソオキサゾールは接触水添によりキレート配位子β-ケトエナミン体に変換した。更に組織構造体を2次元、3次元に展開するため、5,15-ビス(イソオキサゾール)置換体並びに全てのメソ位置をイソオキサゾールで置換したポルフィリンを合成した。また強力なキレート配位子であるオキシンを対面するメソ位置に複数導入した5,15-ビス(オキシニル)置換ポルフィリンの合成を行った。これを用いて2次元、3次元錯体形成能について検討した。更に5,15-ビス(N-メチルイミダゾール)置換ポルフィリンに、6配位構造をとることのできるMgを導入した錯体について、エレクトロンスプレーマススペクトルを用いてその超分子構造体の形成を検討したところ、7量体までの大きな集積金属錯体構造体を形成していることを確認することができた。
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