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1998 年度 実績報告書

BachファミリーとAP-1のクロストークによる細胞増殖・分化の調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 10151206
研究機関東北大学

研究代表者

五十嵐 和彦  東北大学, 医学部, 助教授 (00250738)

キーワード癌遺伝子 / Maf / AP-1 / NF-E2 / Bach / クロマチン
研究概要

細胞の分化と癌化を理解するためには、遺伝子発現の調節機構とその異常を分子レベルで明らかにすることが必須となる。本研究は、Maf因子群とBach因子群による遺伝子発現と細胞分化の制御機構、およびその失調と癌化の関連を解明することを目的とした。Bachファミリーは、CNC因子群に特徴的なbZipを有し、さらに、リンパ腫や前骨髄性白血病に伴う染色体転座部位に存在するLAZ3/BCL6、PLZF転写因子とホモロジーを示す領域(BTB ドメイン)を有する。そこで、特にBachの分子レベルでの機能とその制御機構に関して研究を進め、以下の興味深い知見を得ることができた。(1)Bach2の細胞内局在が、核移行シグナルならびに核くみ出しシグナルにより制御されること、そしてこの核からのくみ出しは酸化ストレスなどにより特異的に制御されることを見いだした。(2)エンハンサーやサイレンサーとプロモータとが相互作用する過程では、DNAのループ構造が形成されると考えられる。原子間力顕微鏡を用いた解析から、Bach1はそのBTBドメインの作用によりDNAループを形成する転写因子であることを明らかにした。BTBドメインを有する癌関連転写因子はDNAループ形成を担う因子として作用すること、そしてこのようなDNAループ形成反応の異常が癌化に関わることが考えられる。(3)Bach1やBach2のBTB領域に特異的に結合する新規BTBドメイン転写囚子FOBを発見し、この因子がc-mycプロモーターの強い活性化因子として作用することを見いだした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Nagai,T.: "Regulation of NF-E2 activity in erythroleukemia cell differentiation." Journal of Biological Chemistry. 273. 5358-5365 (1998)

  • [文献書誌] Igarashi,K.: "Multivalent DNA Binding Complex Generated by Small Maf and Bach1 as a Possible Biochemical Basis for β-globin Locus Control Region Complex." Journal of Biological Chemistry. 273. 11783-11790 (1998)

  • [文献書誌] Muto,A.: "Identification of Bach2 as a B cell-specific partner for small Maf proteins that negatively regulate the immunoglobulin heavy chain gene 3'enhancer" EMBO Journal. 17. 5734-5743 (1998)

  • [文献書誌] Itoh,K.: "Keap1 represses nuclear activation of antioxidant responsive elements by Nrf2 through binding to the amino-terminal Neh2 domain." Genes and Development. 13. 65-86 (1999)

  • [文献書誌] Kobayashi,A.: "Molecular cloning and functional characterization of a new Cap'n'collar family transcription factor Nrf3." Journal of Biological Chemistry. 274. 6443-6452 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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