研究概要 |
本年度は昨年度に引き続き、得られた10種の異なるcDNA断片(GDAP-1〜-10)のORFのクローニングとその解析を行っている。その結果、 1)GDAP一群の発現解析:これらはマウスの発生過程で見る限りいずれもE16-P7の時期に神経系に特異的に発現していた。また、P19細胞を神経系に分化させたときもGD,AP一群の発現が同様に見られることが明らかになった。 2)GDAP-1のORFのクローニングと解析:マウス、ヒトのcDNAライブラリーからORFを含むクローンを幾つか得た。いずれも358アミノ酸からなり94%の相同性をもち、マウスとヒトとの間で高度に保存されたアミノ酸配列を持つタンパク質であることが明らかになった。現在のところデータベースに登録されておらず、新規タンパク質である。C-、N-末端側それぞれにMyc,FLAGを融合させNeuro2aに発現させると、N-末端側が細胞質、c-末端側がERに存在していた。アミノ酸配列を見ると、C-末端側近傍に一回膜貫通領域と推定される配列が見られる。また、細胞質領域に核移行シグナルに似た配列があることがあきらかになった。さらに、Two-hybrid systemを用いて、細胞質領域のGDAP-1と相互作用をするタンパク質を検索し、幾つかの候補を得たのでその同定・解析をも開始した 今後、これらGDAP-群の解析やTwo-hybrid systemなどにより、この細胞増殖抑制機構を解明して行く予定である。
|