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1998 年度 実績報告書

p53関連遺伝子の発現を指標とする抗腫瘍活性の新検索システムの開発と応用

研究課題

研究課題/領域番号 10153260
研究機関共立薬科大学

研究代表者

望月 正隆  共立薬科大学, 薬学部, 教授 (10072414)

研究分担者 石川 さと子  共立薬科大学, 薬学部, 助手 (70223518)
キーワード抗腫瘍活性スクリーニング / p53 / アポトーシス / 制がん性化合物
研究概要

本研究は、抗腫瘍油性の一次スクリーニングのためにヒト白血病細胞を用いた検索システムを開発し、より効果的な制がん化合物の創製に役立てることを目的とした。ヒト由来白血病細胞4種についてp53遺伝子の表現型とDNA損傷性ストレスに対する応答との関連を調べた。その結果、正常p53遺伝子(+/+)を持つCCRF-HSB-2細胞においてp53タンパク発現誘導に基づくアポトーシスおよびGl期停止が顕著に認められた。作用機序が異なる種々のDNA損傷性抗腫瘍化合物11種を用い、CCRF-HSB-2細胞におけるp53タンパク発現、アポトーシス誘導を調べた結果、全ての化合物が50%生育阻害濃度においてp53夕ンパクを発現させ、それに伴うアポトーシスが観察された。この現象は抗腫瘍性化合物に特異的だった。
新規 DNA損傷性化合物である bis(bromomethyl)quinoline、類およびN-nitroso-N-(acetoxymethyl)-ω-chloroalkylamine類について本検索システムを適用した。その結果、CCRF-HSB-2細胞に対してcisplatinと同等の強い細胞毒性を示し、同程度のp53遺伝子発現誘導能を持つものが存在することが明らかとなった。これら新規化合物の作用機構は既知の制がん剤と同様のDNAクロスリンクおよびDNA鎖切断であるため、本検索システムを用いた結果と併せると、in vivoにおける抗腫瘍活性が期待されることが示唆される。ヒト白血病由来CCRF-HSB-2細胞はp53遺伝学が正常型であり、さらにヒト由来の細胞であるため、より現実的な活性スクリーニングが可能である。新規化合物への適用も可能であることから、本法が抗腫瘍活性の新検索システムとして有用であると考える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] U.-Ishikawa,S.,Sawada,A.,Kasuya,K.,Mochizuki,M.: "Mutagenicity of isomeric alkanediazotates,precursors for ultimate alkylating species of carcinogenic N-nitroso compounds." Mutation Research. 412. 99-107 (1998)

  • [文献書誌] U.-Ishikawa,S.,Seki,M.,Mochizuki,M.: "Mutagenicity of potassium alkanediazotates in Chinese hamster V79 cells and their alkylating activity." Biological and Pharmaceutical Bulletin. (in press). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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