研究課題/領域番号 |
10155221
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
山内 卓 徳島大学, 薬学部, 教授 (90041813)
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研究分担者 |
吉村 好之 徳島大学, 薬学部, 助手 (20035554)
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キーワード | カルモデュリン依存性プロテインキナーゼ / シナプス後肥厚 / トランスロケーション / 自己リン酸化 / 二次元電気泳動 / リン酸化タンパク質 / NMDAレセプター |
研究概要 |
シナプス後肥厚(PSD)はシナプス伝達の中心となる部位であり、伝達物質受容体刺激以降の細胞内の情報伝達に関与する多くの分子が存在しており、シナプスの物質的基盤を解析するために格好の実験材料である。しかし、PSDは不溶性のため、生化学的研究が遅れている。本研究では、PSDの主要構成タンパク質であるCa^<2+>/カルモデュリン依存性プロテインキナーゼII(キナーゼII)の細胞質からPSDへの移行を調べ、以下の結果が得られた。(1)PSDに移行したCaM kinaseIIによるリン酸化タンパクを2次元ゲル電気泳動により分離し、ゲルより抽出し、ペプチドシークエンサーにより構造決定し、既知のタンパクと比較し、いくつかの基質タンパクを同定した。(2)PSDにおけるCaM kinaseIIの基質について、cDNAクローニングの準備を行っている。PSD CaM kinaseIIの基質の1次構造をもとにして、PCRプライマーを作成した。今後、PCRにより増幅されるDNAをプローブとして、基質タンパクのcDNAのクローニングを行う予定である。(3)PSDにおけるCaM kinaseIIの結合タンパクを、ゲルオーバーレイ法により、調べたところ2つのタンパクが見い出された。1つは、NMDAレセプター2Bサブユニットと考えられた。もう1つは、現在の所同定できていない。(4)シナプス活動にともなうPSD CaM kinaseIIの活性化を調べるために、神経活動の活性化のモデルとして、薬物による痙攣ショックを与え、刺激後の時間経過にともない、CaM kinaseIIが自己リン酸化にともないPSDへの移行解析しているところである。
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