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1998 年度 実績報告書

シナプス前末端内Ca^<2+>動態と伝達物質放出の同時測定:可塑性機構メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 10156216
研究機関名古屋大学

研究代表者

鈴木 直哉  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50222063)

研究分担者 飯田 荘象  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80022664)
木島 博正  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30012397)
キーワードシナプス前末端 / カルシウム感受性蛍光色素 / 共焦点顕微鏡 / シナプス / 短期可塑性 / 神経筋接合部 / カルシウムイオン
研究概要

1. 高速共焦点顕微鏡によるCa^<2+>ドメインの可視化
カエル神経筋シナプス前末端において2ミリ秒の時間分解能での高速のCa^<2+>イメージングに成功し、電位依存性Ca^<2+>チャネルから流入したCa^<2+>により形成される空間的にヘテロなCa^<2+>濃度分布(Ca^<2+>ドメイン)を可視化した。Ca^<2+>ドメインは神経刺激後5〜15ミリ秒の時間に存在し、25ミリ秒程度たつとほぼ一様になることが判った。
2. 前末端内残存Ca^<2+>と短期可塑性(促通)との関係
Ca^<2+>キレート剤であるBAPTAやEGTAを前末端に負荷した時の短期可塑性の変化を電気生理学的に、また、その同じシナプス末端内Ca^<2+>動態の変化を測光装置により測定した。結果は以下の様になった。BAPTAが少量でも負荷されると速い促通が抑制され負荷量が増えるとほとんど消失した。そして多量に負荷されると遅い促通も減少した。これに対して、EGTAは速い促通への抑制効果がBAPTAに比べて非常に弱く、多量に負荷しても速い促通は残った。しかし、遅い促通はよく抑制した。100Hz10回刺激後の末端内Ca^<2+>濃度の減衰は、3つの指数関数(減衰時定数40ミリ秒程度、150〜200ミリ秒、700〜800ミリ秒)の和プラス定数でよく近似された。これに、BAPTAを負荷すると、速いCa^<2+>減衰は消失し、ほぼ減衰時定数1〜2秒程の成分のみになった。また、EGTAを負荷した時には大きさは小さくなるものの速いCa^<2+>減衰成分が残り、あとは減衰時定数が3〜4秒の非常に小さな成分になった。これらの結果から、速い促通は古典的残存Ca^<2+>で説明可能であるが、遅い促通の機構は、残存Ca^<2+>をリアルタイムでモニターする高親和性Ca^<2+>センサーではなく、残存Ca^<2+>を間接的に反映するような遅いキネティクスを持ったものであると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kiyoshi Ohnuma: "Cooperative Ca^<2+> removal from presynaptic terminals of the spiny lobster neuromscular junction" Biophys.J.76・4. 印刷中 (1999)

  • [文献書誌] Kazuhiko Narita: "A Ca^<2+>-induced Ca^<2+> release mechanism involved in asynchronous exocytosis at frog motor nerve terminals" J.Gen.Physiol.112・11. 593-609 (1998)

  • [文献書誌] 木島 博正: "シナプス前神経末端におけるカルシウムイオン動態" CLINICAL CALCIUM. 8・2. 14-23 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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