縮重PCR法により単離したアカパンカビFEN1遺伝子は394アミノ酸からなる44.8kDaのポリペプチドをコードしており出芽酵母のRAD27および分裂酵母のRAD2蛋白質とそれぞれ55.5%、59.7%のホモロジーを示した。ヒトFEN1とは52.8%のホモロジーであった。RFLPによるアカパンカビEFN1遺伝子のマッピングを行ったところ第7連鎖群のun-10遺伝子座と連鎖しており、この領域には、変異原感受性突然変異遺伝子としてmus-10、mus-25、mus-33の遺伝子が報告されている。既に、mus-25遺伝子は我々が以前にRAD54のホモログであることを確認しているため mus-25はFEN1ではない。他の二つについてもこれらは表現型の点でFEN1とは異なるため、我々はFEN1遺伝子を欠く変異株はこれまでに単離されていないものと判断した。酵母のFEN1ホモログはDNA複製にかかわる蛋白質として知られているが、分裂酵母では、RAD2変異との二重変異株でエピスタティクな関係がみられ、FEN1が除去修復においても働いていることが明らかにされている。アカパンカビのFEN1遺伝子がどのような修復系に属しているかを明らかにするため、アカパンカビFEN1欠損株をrepeat induced pointmutation(RIP)現象を用いて作成中である。
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