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1998 年度 実績報告書

転写とDNA修復のカップリングの分子機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10165210
研究機関大阪大学

研究代表者

大熊 芳明  大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (70192515)

研究分担者 前川 隆文  大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (90273721)
益谷 央豪  大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (40241252)
キーワード転写 / RNAポリメラーゼII(PolII) / 基本転写因子 / TFIIH / TFIIE / リン酸化 / 線虫 / 遺伝病
研究概要

1. 線虫TFIIEホモログの同定と解析
真核生物では遺伝子の2本鎖DNAのうち、RNAポリメラーゼII(PolII)が転写を行っている鎖が紫外線等により傷害を受けた場合、非転写鎖よりも素早く修復される、転写とカップルしたDNA修復が知られている。その際に重要な役割を果たす基本転写因子TFIIHとそれを制御するTFIIEの解析の目的で、これまでヒトTFIIEの構造と活性の相関を欠失変異体を用いて解析し、20〜30アミノ酸の範囲内に活性領域を特定した。現在更に個々のアミノ酸レベルで解析を進めるため、異なる種間でホモログを取りアミノ酸配列の保存性を調べている。今回、線虫からTFIIEホモログを同定し、解析した。まず小さいTFIIEβサブユニットは、大腸菌で発現、精製してヒトと転写機能が置き換るかを調べると、不完全ながら置き換った。一方、線虫TFIIEαは置き換らなかった。TFIIHのPolIIリン酸化のTFIIEによる促進活性について調べると、転写と良く一致して線虫TFIIEβではリン酸化が促進されるのに対し、線虫TFIIEαではリン酸化の促進は見られなかった。
2. TFIIHの欠損に起因する遺伝病患者由来の欠損THIIHの活性と機能の解析
TFIIHは9サブユニットよりなり、転写だけでなくDNA除去修復に関与する重要な蛋白である。特に、大きい2サブユニットXPBとXPDがDNA修復に直接関わっている。遺伝的にこれらに欠損を有する家系が存在し、患者は転写、DNA修復能が低下することにより癌になりやすかったり、発育や神経系の発達が遅れていることが明らかにされている。今回、これらのサブユニットに欠損を有する2種の細胞から欠損TFIIHを精製し、そのサブユニット構成や転写、DNA修復における活性を調べた。すると転写やDNA修復活性の低下と患者の病態に相関性があることが分った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Okamoto,T.et al.: "Analysis of the role of TFIIE in transcriptional regulation through structure-function studies of the TFIIB subunit." J.Biol.Chem.273. 19866-19876 (1998)

  • [文献書誌] Sugasawa,K.et al.: "Xerederma pigmentosim gnap C protein complex is the intiatov of global genome nucleotide excision repair." Mol.Cell.2. 223-232 (1998)

  • [文献書誌] Kai,M.et al.: "A new Drosophila ultraiolet light-damaged DNA recognition endonuclease that selectively nicks a (6-4) photoprodnct site." Biochem.Biophys.Acta. 1397. 180-188 (1998)

  • [文献書誌] Fujiwara,Y.et al.: "Detection,purificution and characterization of a protein that birds the (6-4) photoprodact-containing DNA in Hela cells." Nucleic.Acids.Symp.Ser. 37. 277-278 (1997)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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