シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の葉緑体に局在すると考えられる硫酸イオントランスポーターAST82について解析を行った。シロイヌナズナESTクローン、H2H3T7をプローブとしてλgtllcDNAライブラリー(40万クローン)のスクリーニングを行い685アミノ酸をコードする2235bpの完全長cDNAクローンAST82を得た。AST82は、当研究室でシロイヌナズナから単離されている他の6種の硫酸イオントランスポーターと相同性を示した。また、シアノバクテリアのゲノム配列上の真核型硫酸イオントランスポーター様の配列(slr1776)とも高い相同性を示した。AST82のN末アミノ酸配列は、葉緑体へタンパク質を移行させるシグナル配列の特徴を有していた。AST82のN末100アミノ酸とGFPの融合タンパク質をシロイヌナズナで一過的に発現させたところ、GFPの緑色蛍光が葉緑体で観察された。ノーザン解析を行ったところ、葉および根において硫酸イオン欠乏によるAST82mRNA量の増加がみられた。
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