研究課題/領域番号 |
10173201
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安元 研一 東北大学, 医学部, 助手 (90241629)
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研究分担者 |
柴原 茂樹 東北大学, 医学部, 教授 (70206142)
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キーワード | tyrosinase / gene expression / microphthalmia / MIFT / transcriptional regulation / melnin / Waardenburg syndrome / TRP-2 |
研究概要 |
研究の目的:メラニン生合成系酵素遺伝子の発現を制御している転写因子MITFはメラノサイトや網膜色素上皮細胞(RPE)等の分化も制御している。本研究では新たにA型isoformを単離し、既知のM型、H型isoforomと共にその構造と機能の解析を行った。 1:MITFの各isoformの分化発達過程における発現分布の解析 各isoformの発現量を比較したところ、M型はメラノサイトにのみ特異的に発現していた。一方、A型とH型は普遍的な発現が認められた。特に胎児由来の培養RPEにおいてA型のdominantな発現が認められ、RPEの分化過程においてはA型が機能していると考えられた。 2:各isoformのプロモーター領域の単離とその組織特異的な発現機構の解明 MITF遺伝子の全体構造を明らかにし、各isoformのプロモーター領域を単離した。そして培養細胞を用いたレポーターアッセイを行い、各プロモーター上の転写制御配列を検索した。その結果、M型isoformのプロモーター領域にメラノサイト特異的な発現に働く機能領域を見出した。 3:MITFによる組織特異的発現制御機構の解析 メラニン生成関連酵素遺伝子TRP-2の発現制御にMITFとHMG box構造を持つ転写因子との協調的な作用機構の存在が認められた。またRPEにおいてA型MITFはメラニン生合成系酵素遺伝子の転写を活性化するが、それに比べてH型は転写活性化能が弱い事が明らかになった。 4:遺伝性視聴覚障害の遺伝子解析 現在A型isoformのエキソン1Aを置換したノックアウトマウスを作成している。このマウスは色素累常を件わない視聴覚障害の新たなモデルマウスとなる事が期待される。
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