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1998 年度 実績報告書

分子モーター間に働く相互作用の1分子イメージング

研究課題

研究課題/領域番号 10175222
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

徳永 万喜洋  国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 助教授 (00192659)

キーワード生体分子モーター / 1分子イメージング / 1分子操作 / 1分子計測 / 分子機構 / ミオシン / アクチン
研究概要

生体分子モーターの分子レベルでの機構解明を目的として、生体分子1個を生きたまま捕まえ操作する新しい技術を開発した。翻訳後修飾によりビオチン化されるタンパク質との融合タンパク質を用いる方法により、アビジン・ビオチン系を使って、タンパク質を生きたまま表面に固定する方法を確立した。この方法で捕捉したミオシン頭部1分子が、ATP存在下でアクチンと相互作用して発生する力を計測する事に成功した。分子サイズ(20nm)を越えるスパイク状の変位が観測された。しかも、この大きな変位は、1個のATP加水分解中に5.3nmのステップが複数回起こって実現している事が発見された。
さらに、この5.3nmステップが、ミオシン頭部の構造変化に基づくものか、アクチン・モノマーの間隔に基づくものかを決定する実験を行った。ミオシン頭部(S1)を,BDTC(ビオチン化ペプチド)と制御軽鎖(RLC)とのフュージョンペプチドを用いてアビジン経由でガラス表面に結合させると,双頭のミオシンと同程度に速く滑り運動することを見つけている。この系において,BDTCとRLCとの間にグリシン・リッチであるフレキシブルなペプチドを導入し,滑り運動の変化を計測した。最大12nmまで伸びうる柔らかいペプチドを導入しても、アクチンフィラメントは、導入する前の8割の速さで滑ることがわかった。
以上の結果は、従来言われてきた構造変化説では説明できず、滑り運動の原動力として揺らぎを使った確率的な分子機構モデルを支持している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] K,Kitamura: "A single myosin head moves along an actin filament with regular steps of 5.3 nanometors." Nature. 397. 129-134 (1999)

  • [文献書誌] 徳永万喜洋: "生体分子機能の一分子直視と計測" 現代化学. 328. 26-30 (1998)

  • [文献書誌] 石島秋彦: "生体分子機能の1分子イメージング" 蛋白質核酸酵素. 43(10). 1365-1371 (1998)

  • [文献書誌] 廣島通夫: "分子間力顕微鏡と1分子技術" 応用物理学会 有機分子・バイオエレクトロニクス分科会会誌. 9(4). 156-162 (1998)

  • [文献書誌] 廣島通夫: "分子間相互作用のイメージング -分子間力顕微鏡と1分子技術-" 電子顕微鏡. (印刷中). (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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