研究概要 |
[1]ラット線条体微量透析ドーパのグルタミン酸遊離:(1)ドーパ1-100nMの用量依存性グルタミン酸遊離増大,(2)6-OHDAi.v.t.処置パーキンソン病モデルにおけるドーパ10nMの同感作作用を再検討したが,確認に至らず,切片でみられた100-300μMドーパの同遊離増大の確認に止まった.(3)6-OHDA内側前脳束投与は,ドパミン(DA)を著減したが,nM用量ドーパのグルタミン酸遊離を確認できず(分担三須).[2]胎仔線条体神経培養系ドーパ自体による神経細胞死:(1)10日培養系における,ドーパ100μMによる立体特異性,NMDA-拮抗薬MK-801,非-NMDA-拮抗薬CNQX-感受性の神経細胞死は,(2)24時間インキュベーション時,Mg^<2+>,TTX添加,Ca^<2+>除去により保護され,ある種伝達物質神経性遊離を示唆しドーパ100-300μMはグルタミン酸を遊離した.(3)同遊離は強力,比較的安定な新競合的ドーパ拮抗薬DOPA cyclohexyl ester(CHE)300μMにより拮抗された(五嶋,佐々木).[3]4血管閉塞脳虚血線条体微量透析系と再交通後病理検索:(1)10分間虚血は,ドーパをDA,グルタミン酸と共に誘発,虚血後10分の各最大遊離は6,220,8倍,各増大は虚血60分後に回復.(2)再交通24時間後,線条体,海馬は神経細胞死を示さず.(3)再交通96時間後,遅発性神経細胞死は線条体軽度〜中等度,海馬の場合重度.(4)虚血開始10分前のAADC阻害薬NSD-1015 30μM線条体内灌流は,虚血によるドーパ遊離を著増(虚血後10分,50倍),DA遊離を減少傾向(160倍),グルタミン酸遊離を増大(22倍),線条体遅発性神経細胞死を増悪.(5)CHE10,30,100nM線条体内灌流は,虚血によるDA遊離を無修飾,用量依存性にグルタミン酸遊離に拮抗(最大80%抑制),同神経細胞死を保護.(6)CHE100nMは脳温を低下せず.(7)CHE0.1-1μM後灌流の作用を検討中.(8)両薬物は海馬神経細胞死に影響せず.(9)CHE i.p.3-100mg/kg投与は神経細胞死を保護せず(宮前,古川).
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