研究課題/領域番号 |
10179101
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
阿久津 秀雄 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60029965)
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研究分担者 |
月原 冨武 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00032277)
甲斐荘 正恒 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (20137029)
相本 三郎 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (80029967)
山崎 俊夫 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (60273710)
佐藤 衛 横浜市立大学, 総合理学研究科, 教授 (60170784)
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キーワード | タンパク質相互作用 / 情報伝達 / NMR / X線結晶構造解析 / 電子顕微鏡 / 固体NMR / 同位体標識 / X線小角散乱 |
研究概要 |
大きなタンパク質の一部分のみを同位体標識するための方法論開発に進展が見られた。最も重要な方法はインテインを用いたタンパク質のセグメント標識である。インテインは下等生物に希に見いだされるタンパク質遺伝子に割り込んだ配列で、宿主タンパク質と同時に翻訳された後ペプチド鎖のスプライシングを行い、自分は切り離される。これを標識したいタンパク質の配列の中に組み込み、インテインの中間に切れ目を入れた形の2本のペプチド鎖として発現させる。この2本を巻き戻しにより元の構造を作らせ、インテインでスプライシングを行うと元のタンパク質を作ることが出来る。この際、例えばN末側のペプチドだけを同位体標識しておくと、N末側のセグメントだけが標識されたタンパク質をつくることができる。これは3つの断片に分けて行うことも可能であることが示された。世界に先駆けた画期的な方法である。固体NMRによる構造解析法ではCP/MAS3次元NMRにより均一標識アミノ酸の2面角を正確に決定できる方法が開発された。この方法は2面角ばかりでなく、結合角や結合距離も決定できる。巨大分子複合体のX線結晶構造解析をAb initio法により解析することが可能であることが示され、イネ萎縮病ウィスルの構造解析に使えることが示された。これは巨大タンパク質複合体を解析する上でのブレークスルーとなる重要な成果である。RNA結合タンパク質hnRNP DOの構造決定も行われ、核酸との相互作用の解析を行った。アミドプロトンを用いたタンパク質のダイナミックスの解析においても新しい進展が見られた。
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