研究課題/領域番号 |
10179104
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
稲垣 冬彦 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (70011757)
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研究分担者 |
月田 承一郎 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50155347)
山本 雅 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40134621)
竹縄 忠臣 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40101315)
貝淵 弘三 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (00169377)
箱嶋 敏雄 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (00164773)
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キーワード | Vav-nSH3 / PRR / Grb2-cSH3 / バキュロウィルス / 多核体病ウィルス / Rho / N-WASP / NMR / X線結晶構造解析 / タイトジャンクション |
研究概要 |
本年度も細胞内シグナル伝達に関与する多くの蛋白質について、試料調製と、NMR、X線結晶構造解析による構造決定が行われた。稲垣はVan-nSH3の構造についてNMRとX線結晶構造を用いて明らかにした。Van-nSH3はRTループ中にIPPPP配列を含むが、この配列は自己のPRR結合領域に結合していること、さらにGrb2-cSH3との複合体のX線結晶構造解析の結果は、IPPPPを両方のSH3が挟み込んでいる事がわかった。また、Bem1Pに含まれるPB1とCdc24に含まれるPCモチーフについてNMR解析を進め、結合の特異性を明らかにした。箱嶋は多くの蛋白質について、精力的にX線結晶構造解析を行った。特筆すべき点は、Rhoのエフェクター蛋白質であるPKNのRho結合ドメイントの複合体について立体構造を明らかにした事である。PKNのRho結合ドメインは反平行ヘリックス構造を取ること、Rhoのスィッチ領域以外もヘリックスと相互作用していることがわかった。低分子量G蛋白質はエフェクター蛋白とスィッチ領域以外でも様々な相互作用をしうる事を示している。竹縄はGrb2のエフェクター蛋白質であるN-WASPが低分子量G蛋白質の一つであるCdc42と相互作用をして構造を変化すること、構造変化による、Arp2/3と複合体を形成し、糸状突起形成を行うことをあきらかにした。試料調製の点では、武内と星川はバキュロやカイコ核多核体病ウイルスを用いた発現系を導入した。月田はタイトジャンクションを形成するクローディンをバキュロウィルスを用いた発現系で大量に調製し、人工脂質への再構成を行っている。電子顕微鏡を用いてタイトジャンクションの形成を調べている。
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