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1998 年度 実績報告書

部分ペプチドを用いた蛋白質・蛋白質相互作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 10179203
研究機関群馬大学

研究代表者

若松 馨  群馬大学, 工学部, 助教授 (40222426)

研究分担者 河野 俊之  三菱化学生命科学研究所, 構造解析研究室, 研究員
キーワードG蛋白質 / レセプター / 部分ペプチド / マストパラン / 重水素化 / NMR / 活性化 / 立体構造
研究概要

1. G蛋白質を活性化するマストパランXがGilαに結合した時の立体構造をTRNOEで決定した。従来、TRNOEにはペプチドシグナルの分離が悪いという問題があったので、ペプチドをユビキチン融合蛋白質として発現する系を作成し、^<13>Cと^<15>Nで一様にラベルしたマストパランXを調製して、Gilα存在下で多核3次元TRNOE測定を行った。その結果、主鎖のrmsdが0.27±0.07Åという詳細な立体構造を決定することができた。また側鎖の向きも決定できた。
2. レセプターがG蛋白質を活性化する機構を解析するためにマストパランがG蛋白質の二次構造に及ぼす効果をCDで調べたところ、活性化に伴ってαヘリックス含量が低下することがわかった。レセプター類似体やm2レセプターの活性化能をGilαの各種突然変異体について解析したところ、Gilαのα5ヘリックスとβ2/β3ループの間のイオンペアがレセプター結合部位からグアニンヌクレオチド結合部位へと活性化情報を伝達していることが強く示唆された。そこで、アミノ酸選択的に安定同位体ラベルしたGilαを調製しNMRで解析したところ、活性化に伴ってイオンペア近傍に構造変化が起きている事が確認された。
3. m4ムスカリン性レセプターの細胞内第三ループC末端側のペプチドを大腸菌で発現させた。このペプチドはマストパランと同様にGiαとGoαを活性化した。また、レセプターとの相互作用に重要と言われているGoαのC末端5残基を欠損した突然変異体は活性化しなかったので、このペプチドはレセプターと同様にG蛋白質を活性化していると考えられる。現在、安定同位体で一様にラベルしたペプチドとGoαとの相互作用をNMRで解析している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Tanaka,K.Wakamatsuら: "α Helix content of G protein α subunit is decreased upon activation by receptor mimetics" J.Biol.Chem.273. 3247-3252 (1998)

  • [文献書誌] K.Kusunoki,K.Wakamatsuら: "G protein-bound conformation of mastoparan-X" Biochemistry. 37. 4782-4790 (1998)

  • [文献書誌] T.Kohno,K.Wakamatsuら: "A new general method for the biosynthesis of stable isotope-enriched peptides using a decahistidine-tagged ubiquitin fusion system" J.Biomol.NMR. 12. 109-121 (1998)

  • [文献書誌] T.Tanaka,K.Wakamatsuら: "One-step affinity purification of the G protein βγ subunits from bovine brain using a histidine-tagged G protein α subunit" Prot.Expr.Purif.15. 207-212 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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