研究課題/領域番号 |
10179217
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
内藤 晶 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (80172245)
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研究分担者 |
辻 暁 姫路工業大学, 理学部, 助手 (60227387)
斉藤 肇 姫路工業大学, 理学部, 教授 (30100150)
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キーワード | イオンチャネルペプチド / 磁場配向二重膜 / NMR / メリチン / ダイノルフィン / イオン選択性電極 |
研究概要 |
本研究では両親媒性ペプチドであるメリチンおよびダイノルフィンがリン脂質二重膜に組み込まれることによって生じる磁場配向二重膜の性質についての基礎検討を行った。モル比で1:10に混合したメリチンあるいはダイノルフィンとリン脂質であるDMPCをメタノールに溶かし、有機溶媒を完全に除去した後、20mMのtris緩衝液で水和してペプチドを取り込んだ脂質二重膜を調製した。メリチン-DMPC二重膜について^<31>PNMRスペクトルを観測したところ、脂質二重膜の液晶ゲル相転移点(Tm)以上の温度で脂質二重膜の膜面が磁場に平行に配向することが判明した。同様の磁場配向現象はダイノルフィン-DMPC二重膜おいても観測された。この磁場配向二重膜の形態を決定するために、カリウムイオン選択性電極を用いて、膜中に取り込まれたK^+の漏洩を測定した。この結果、磁場配向二重膜ではK^+の漏洩が観測されたので、この膜は小胞体を形成していることが明らかになった。このような小胞体が磁場に対して自発的に配向するためには、小胞体全体で磁気異方性を持つ必要がある。従って、この小胞体は球形ではなくて楕円体を形成していると考えられる。そこで磁場配向二重膜において観測した^<31>PNMRの線形を解析した結果、この小胞体は長軸が短軸に比べて、少なくとも5倍以上長い形状をもつ細長い楕円体であることが明らかになった。この磁場配向二重膜に結合したメリチン分子も磁場配向していることが^<13>CNMRの結果から確かめられた。さらにメリチンはα-へリックスを形成しており、分子の中央部が膜中に挿入された状態で脂質膜表面に結合していることが判明した。これらの結果は一般の膜蛋白質やイオンチャネルペプチドの構造解析に磁場配向膜が有用であることを示唆している。
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