研究課題/領域番号 |
10180102
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
内山 卓 京都大学, 医学研究科, 教授 (80151900)
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研究分担者 |
高橋 秀実 日本医科大学, 医学部, 教授 (40221361)
清野 宏 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10271032)
長澤 丘司 京都大学, 再生医学研究所, 教授 (80281690)
義江 修 近畿大学, 医学部, 教授 (10166910)
滝口 雅文 熊本大学, エイズ学研究センター, 教授 (00183450)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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キーワード | HIV-1 / AIDS / CCR5 / CXCR4 / SDF-1 / CTL / mucosal immunity / dendritic cells |
研究概要 |
HIV-1感染とケモカイン/ケモカイン受容体、HIV特異的CTLの課題を中心に研究を進め、以下の成果を得た。内山は、innate immunityにおいて重要な役割を果たしている末梢血中に存在する特異な樹状細胞サブセットであるpreDC2に対して、HIV-1感染が成立し、さらにHIV-1に対する反応としてI型インターフェロンを大量に分泌することを示し、本細胞のHIV-1感染における役割を明らかにした。長澤は、胎児肝の系列分化直後の最も初期のB前駆細胞を同定し、各種の欠損マウスを用いた実験から、この細胞の発生にSDF-1が必須であることを明らかにした。義江は、おもにリンパ系組織で構成的に発現する「免疫系ケモカイン」のHIV-1持続感染における役割を多角的に検討するとともに、さらに、P2G-SDF-1-FcキメラのHIV-1感染に及ぼす影響を検討した。本キメラ分子は、in vitroにおいてはHIV-1の感染抑制を示し、in vivoにおいても骨髄でのPre-B細胞と未熟B細胞の減少および骨髄系細胞の減少傾向を認めたが、SCID-huを用いた感染実験では、逆にX4ウイルスの増殖を促進するという結果を得た。清野は、gp160-fusogenic liposomeを経鼻免疫した結果、HIV-1に対する中和能を持つ抗体の誘導が野生型マウスのみならず、IFN-γ欠損マウスやIL-4欠損マウスでも認められたことより、治療ワクチンの可能性を示唆した。高橋は、ウイルスエピトープペプチドによりCTL活性が抑制される直前に大量のIFN-γや様々な細胞障害性因子を放出するとともに、自身の再活性化に向けた因子を産生することを示した。滝口は、HIV-1特異的CD8T細胞上にCCR5が発現しており、そのリガンドにより遊走することを示し、これらケモカインがTh1の免疫反応に関与することを示した。
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