研究分担者 |
満屋 裕明 熊本大学, 医学部, 教授 (20136724)
小柳 義夫 東北大学, 医学系研究所, 教授 (80215417)
永井 美之 国立感染症研究所, エイズ研究センター, センター長 (20022874)
堀 利行 京都大学, 医学研究科, 講師 (70243102)
松下 修三 熊本大学, エイズ学研究センター, 教授 (00199788)
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研究概要 |
平成10年度に成立した本領域研究では、柱1.HIV-1の複製における宿主側因子、柱2.HIV感染症の病態と免疫、柱3.エイズの予防、制御、の各研究課題についてエイズ制御に向けた基礎研究を推進してきた。本年度(平成11年度)は、HIVのコレセプターに関しては、SDF-1の立体構造の解明、CD26によるSDF-1の抗HIV作用の不活化、HIV-1の細胞侵入時のV3ループとCXCR-4の直接結合、SDF-1,RANTESの遺伝子多型とエイズ発症遅延の関係などが明らかにされた。また、CXCR-4、CCR-5を標的としたわが国独自の低分子感染阻害剤(T22,T140,TAK779)の開発研究が進んだ。免疫学的には、エイズ発症に関与するHLA-A,-B拘束性CTLエピトープの同定、経鼻免疫による局所IgA産生とCTLの誘導が可能になった。HIVの逆転写、転写に関与する宿主因子群の同定、インテグレースの作用機構と組み込み以外の機能、Vpr,Nefの機能に関する研究が進んだ。また、抗HIV剤耐性の分子機構が明らかにされつつあり、それを克服する新規プロテアーゼ阻害剤の開発とその有効性を裏付ける構造的特徴の一部が解明された。総括班では、これら研究の推進のため、厚生省関連エイズ研究班の研究者との合同シンポジウム、2回の班会議の開催、研究者間の情報と試料の交換促進のためのニュースレターの発行、海外への研究者の派遣などを行った。また、平成12年度に向けて、計画研究班員の見直しを行った。
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