研究課題/領域番号 |
10181214
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
杉山 治夫 大阪大学, 医学部, 教授 (70162906)
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研究分担者 |
尾路 祐介 大阪大学, 医学部, 助手 (20294100)
岡 芳弘 大阪大学, 医学部, 助手 (20273691)
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キーワード | WT1遺伝子 / G-CSF / 32D細胞 / Stat3 / 顆粒球系コロニー |
研究概要 |
IL-3依存性に増殖するmyeloid progenitor cellである32D細胞は、G-CSFの刺激で完全に好中球まで分化するが、この32D細胞にWT1遺伝子を導入し、WT1を持続発現させたところ、G-CSF刺激による分化が抑制され、逆に、G-CSFの刺激によって増殖を始めた。G-CSFの刺激による増殖能は、導入したWT1遺伝子の発現量が高いものほど強く、増殖能と発現量は比例した。WT1遺伝子を高発現した細胞では、ベルオキシダーゼ遺伝子の発現がdown-regulationされず、分化が抑制されていることが示された。WT1遺伝子を発現して、G-CSFの刺激に反応して増殖している細胞では、Stat3α及びStat3βの両者の持続的な活性化が見られた。さらに、マウスの正常骨髄細胞に、レトロウイルスベクターを用いて、WT1遺伝子を導入し、WT1を持続発現させ、G-CSF存在下でコロニーアッセイを行ったところ、CFU-G,CFU-M;CFU-GMなどの顆粒球系コロニーの形成が、WT1遺伝子を導入していないコントロールに比し、著名に増加した。WT1遺伝子導入細胞とコントロールとのコロニー形成能の差は、G-CSF濃度が低い所(10ng/ml)で、最も顕著であった。これらの結果は、“WT1遺伝子は、造血細胞では、がん抑制遺伝子というよりも、むしろ、発がん遺伝子様の機能をもっていることを示唆し、WT1遺伝子がLeukemogenesisに重要な役割を果たしていることが示された。
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