研究課題/領域番号 |
10182103
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡田 清孝 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50101093)
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研究分担者 |
福田 祐穂 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10165293)
島本 功 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (10263427)
町田 泰則 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80175596)
杉山 達夫 理化学研究所, 植物科学研究センター, センター長 (50023453)
中村 研三 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (80164292)
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研究期間 (年度) |
2002
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キーワード | 植物多細胞系 / シンポジウム / ホームページ / 情報交換 / 若手ワークショップ / 総括班会議 / ニュースレター / 公開講演会 |
研究概要 |
本研究の目的は、多細胞からなる植物の体を作るための遺伝的なシステムをあきらかにし、システムの働きを理解することである。植物多細胞系特定領域研究はAB二つの計画研究班(A班8名、B班7名)と公募研究班(18名)を含んでいる。本総括班は、これらの研究組織の効率的な運用を目的としている。平成13年度の活動と成果は以下の通りである。 1.研究連絡全体会議 5月28-29日の二日間名古屋愛知厚生年金会館で研究計画を発表・検討する合同班会議を開いた。平成14年1月21-23日に京都のぱるるプラザ京都において成果発表会を開催した。 2.公開講演会 平成14年1月23日に成果発表会の一部を公開講演会として、一般に公開した。約100名の参加者があり、活発な討論がおこなわれた。 3.若手ワークショップ. 11月11月22-23日に奈良先端科学技術大学院大学に班員の研究グループに属する大学院生や若手研究者が集まって研究の目的、方法、成果、夢について語り合う若手ワークショップを開催した。 4.ニュースレター. 研究班員の間の情報交換のためにニュースレターを3回発行した。 5.情報ネットワーク. 緊急の連絡や普段の情報交換のために、ホームページ(http://www.kazusa.or.jp/gene-s2/mmm/)を作製し、e-mailによる連絡網を開設した。 6.総括班会議. 5月29日と平成14年1月22日に総括班会議を開催し、今年度の活動を報告し、研究の進捗状況についての問題点の整理するとともに、最終年度の研究成果とりまとめについて相談した。 これらの活動に基づいて、以下のような研究成果があった。1.シロイヌナズナの分裂組織の維持ができなくなったhlr突然変異体を解析し、HLRタンパク質がプロテオソームの一つのブユニットであることを明らかにした。この結果は、植物細胞内のプログラム化されたタンパク質の分解が、分裂組織のサイズの維持に必要であることを示したものである。また、PRS遺伝子、FIL遺伝子、RBE遺伝子、SHV遺伝子など分裂組織および葉や花器官の横方向の軸に依存した発現パターンを示す遺伝子群の発現機構と機能を調べた。さらに、根端分裂組織の維持に関わるFTR遺伝子、CPC遺伝子、配偶体の形成に関与するKOM遺伝子、ジャスモン酸の生合成に関与し、葯の開裂に関わるDAD1遺伝子についても解析を進めた。2.MAPKKキナーゼの一つであるNPK1とその活性化因子であるNACK1キネシン様タンパク質は複合体を形成して、細胞質分裂における細胞板形成を正に制御していることがわかった。また、葉の左右対称性に異常があるas1およびas2突然変異体や葉の扁平性と左右対称性に異常が見られるale1およびale2突然変異体について原因遺伝子を特定し、その機能を解析した。3.イネにおける概日時計による遺伝子発現を詳細な解析し、イネの短日性を決定する遺伝子ネットワークを明らかにした。4.ヒャクニチソウの葉肉細胞が管状要素に分化する過程を詳細に解析し、ジーンチップを用いて篩部細胞の分化にともなって発現が誘導される多数の遺伝子を同定し、オートリシスにかかわる遺伝子を解析した。5.約8千のアクティベーションタギングラインを作成し、糖応答性に異常を示す変異株や根の形態形成に異常を示す変異株を分離し、糖応答に関わる新たなシグナリング機構を解析した。なお、これらの研究成果は、学術雑誌に論文を発表した他に、国内外の学会やシンポジウムで報告した。
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