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1998 年度 実績報告書

細胞周期の活性化による分裂組織の形成機構

研究課題

研究課題/領域番号 10182207
研究機関東京大学

研究代表者

梅田 正明  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (80221810)

キーワード植物 / 細胞分裂 / 細胞周期 / アラビドプシス / イネ / サイクリン依存性キナーゼ / 形質転換植物
研究概要

本研究では細胞周期の活性化因子としてCDK活性化キナーゼ(CAK)に注目して、植物細胞の分裂活性の維持および活性化における役割を明らかにすることを目的とした。まず、本研究で単離したアラビドプシスのCAK(Cak1At)のキナーゼ活性を解析した結果、Cak1AtはヒトのCDK2のT160を特異的にリン酸化することが明らかになった。また、ゲルろ過によりCAK活性を有する画分を同定したところ、約180kDaのCak1At複合体の溶出画分と一致した。次に、グルココルチコイド転写誘導系を用いて、センス・アンチセンスの両方向でcak1Atをアラビドプシスで発現させたところ、センス・アンチセンスともDEX処理により根の伸長が阻害されることが明らかになった。そこで、cyclin-GUSをこれらのトランスジェニック植物に入れて根端分裂組織の細胞分裂を観察したところ、DEX処理によりG2/M期以外のステージで細胞周期が停止していることが明らかになった。維管束、皮層、columella細胞層の始原細胞についてさらに詳細に観察したところ、いずれの場合もDEX処理により始原細胞がそれぞれの細胞層特異的に分化していた。したがって、個々の細胞の運命を決定する上で、細胞分裂は分化の方向性にも積極的に関与しているものと考えられた。
一方、イネのR2についてもCak1Atと同様にキナーゼ活性を解析したところ、R2はヒトのCDK2とイネのCdc2Os1をリン酸化することが明らかになった。また、ゲルろ過によりR2複合体を解析したところ、R2は少なくとも3種類のタンパク質複合体(70kDa,105kDa,190kDa)を形成し、その中で105kDa複合体が活性型であることが明らかになった。したがって、190kDa複合体はR2のキナーゼ活性を阻害する因子を含んでいることが予想された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Umeda,M.: "Differential expression of genes for cyclin-dependent protein kinases in rice plants." Plant Physiology. 119. 31-40 (1999)

  • [文献書誌] Umeda,M.: "A distinct cyclin-dependent kinase-activating kinase of Arabidopsis thaliana." Proceedings of the National Academy of Sciences (USA). 95. 5021-5026 (1998)

  • [文献書誌] Yamaguchi,M.: "A rice homolog of Cdk7/MO15 phosphorylates both cyclin-dependent protein kinases and the carboxy-terminal domain of RNA polymerase II." The Plant Journal. 16. 613-619 (1998)

  • [文献書誌] Yu,L.-H.: "A novel MT gene of rice plants is strongly expressed in the node portion of the stem." Gene. 206. 29-35 (1998)

  • [文献書誌] Yu,L.-H.: "Molecular characterization of metallothionein genes in plants." Plant Biotechnology. 15. 167-172 (1998)

  • [文献書誌] Kawai,M.: "Stimulation of adenylate kinase in rice seedlings under submergence stress." Journal of Plant Physiology. 152. 533-539 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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