研究課題/領域番号 |
10185101
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平尾 公彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70093169)
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研究分担者 |
中村 宏樹 東京大学, 分子科学研究所, 教授 (10010935)
高塚 和夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70154797)
岩田 末廣 東京大学, 分子科学研究所, 教授 (20087505)
永瀬 茂 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30134901)
山下 晃一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40175659)
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キーワード | 分子物理化学 / 理論化学 / 電子状態理論 / 反応動力学 / 分子設計 / 反応制御 |
研究概要 |
本特定領域研究では理論研究と実験研究との共同により、新しい理論や方法を発見し、それを基盤として「理論に先導された分子設計、反応制御」というニューフロンティアを開拓する。総括班は本研究領域を先導的に開拓している理論研究者によって構成されており、それぞれの研究項目ごとに理論の到達点を確認しつつ、問題点を整理し課題を明らかにしてきた。新しい理論の開発や新しい方法論の開拓を通して、新物質を理論的に設計したり、反応を制御するには、理論化学の到達点を正確に認識し、斬新なアイデアや新しい発見に基づく研究が特に重要である。このため6月には本研究領域に参加している全ての研究者が一同に会し、集中討議を通じて、理論化学の果たすべき役割と新たな可能性を探り、さらなるブレークスルーを目標に理論化学者と実験化学者が互いに連携して集中的に研究を実施することを確認した。また9月(札幌)と1月(東京)には「公開シンポジウム」を開催した。 高塚和夫(東大)は、分子の動的過程に関わって「複雑性」を引き起こす非線形現象の基礎理論を発展させ、新しい化学反応理論を構築しつつある。平尾公彦(東大)はメゾスコピック系の新しい分子理論とアルゴリズムの開発を行っている。山下晃一(東大)、中村宏樹(分子研)は化学反応素過程の量子動力学と超高速反応ダイナミクスの制御に関して多くの成果を挙げている。永瀬茂(都立大学)は高周期元素の特性と分子の形を利用した分子設計をめざし、含ケイ素-ケイ素三重結合化合物をいくつか理論設計し、興味ある合成標的になり得ることを提唱した。榊茂好(熊本大)は遷移金属によるオレフィンのヒドロシリル化反応の機構を詳細に解明し、触媒設計の指針を与えた。またσ結合の活性化反応の遷移状態構造を解析し、立体効果が反応の構造変化を支配していることを見いだしている。
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