アジア太平洋地域の安全保障体制における米国の位置と役割

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 10201203
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 山本 吉宣 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20092025)
• 研究分担者: 恒川 恵市 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80134401) ; 山影 進 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10115959) ; 田中 明彦 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (30163497) ; 久具 佳子 (古城 佳子) 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30205398) ; 木畑 洋一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10012501)
• キーワード: アジア太平洋 / 安全保障 / 米国 / 冷戦 / 東南アジア / ラテンアメリカ / 経済安全保障 / 安全保障体制

研究概要

本年度の研究では、前年度に引き続き、アジア太平洋地域の安全保障体制と米国の役割に関して、8回にわたる研究会を行い、さまざまな側面から、当該のテーマに即した研究を行なった。研究分担者の研究報告は、「非伝統的安全保障:米国の国際麻薬政策」(恒川)、「危機の10年--東アジアの安全保障とアメリカ」(田中明彦)、「アメリカの「経済安全保障政策」--対中政策の変容」(古城佳子)、「ARFとアメリカの安全保障政策」(山影進)、「ANZUSとニュージーランドの安全保障政策」(木畑洋一)などであった。また、外部からの報告として、「アメリカのアジアに対する人権外交」(東郷育子、広島市立大学)、「Stabilizing the Isosceles Triangle」(マイク・モチズキ、ジョージ・ワシントン大学教授)があった。このように、研究分担者は、それぞれの分野の研究を進めており、最終年度をめざして、さらに研究を精緻化していく必要があるが、全体としてある程度まとまりが出てきたと思われる。そして、各研究分担者は、別表のようにそれぞれ、研究成果を発表している。また、梅本哲也が、最近の米国の安全保障政策に関してアメリカ合衆国で調査を行い、恒川恵一が非伝統的な安全保障(国際的な麻薬取引と規制)に関して、アメリカとメキシコ等の中南米で、現地調査を行った。また、前年に引き続き、アメリカの安全保障に関する情報収拾のためのインターネットを通してのシステムを構築している。

研究成果

• [文献書誌] 梅本哲也: "核威嚇による化学・生物兵器の使用抑止―米国の政策と議論"海外事情. 47巻11号. 70-83 (1999)
• [文献書誌] 梅本哲也: アエラムック (新国際関係学がわかる). 50号. 86-90 (1999)
• [文献書誌] 恒川恵市: "ラテンアメリカの工業化と政治変動"世界歴史26 経済成長と国際関係(岩波書店). 275-293 (1999)
• [文献書誌] 古城佳子: "資本移動の増大と国際関係"社会科学研究. 50・2号. 63-75 (1999)
• [文献書誌] Yoichi Kibata: "Die Kolonial poritik Grossbritannies und Japans"Zeitschrift fur Geschichtswissenschaft. (1999)
• [文献書誌] Yamamoto, Yoshinobu ed.: "Globalism, Regionalism and Nationalism"Blackwell (Oxford). 260
• [文献書誌] Yamamoto, Yoshinobu (共著): "A Pacific Peace : Issues and Responses"ISIS Malaysia (Kuala Lumpur). 12 (1999)
• [文献書誌] Keiichi Tsunekawa: "Economia, Poyitica y Relaciones Exteriores del Japon Contemporanes"Instituto de Relaciones Internacionales, Univ. de La Plata (Argentine). 64 (1999)
• [文献書誌] Yamamoto Yoshinobu (共著): "Russia and the Asia-Pacific"SIPRI (Stockholm). (1999)
• [文献書誌] 木畑洋一(編著): "南から見た世界6 グローバリゼーション下の苦闘"大月書店 (内執筆部分13-43). 259+X (1999)