研究課題/領域番号 |
10201206
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
瀧田 佳子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40154950)
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研究分担者 |
有賀 夏紀 埼玉大学, 教養学部, 教授 (20114358)
恒吉 僚子 東京大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (50236931)
能登路 雅子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70164712)
廣部 泉 名古屋大学, 言語文化部, 講師 (80272475)
藤田 文子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (50147005)
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キーワード | 文化変容 / ジェンダー / アメリカとアジア / アメリカ文化 / 日米関係 / 比較文化 / 比較文学 / 太平洋 |
研究概要 |
3年目にあたる平成12年度はジェンダーを中心に研究を開始した。アメリカのジェンダー理論の最近の動向を解析するとともに、アジア・太平洋地域のジェンダーの問題について研究会を開いた。9月30日には国際シンポジウム"The United States and the Asia Pacific in the 21^<st> Century : From Friction to Coexistence"(21世紀のアメリカとアジア太平洋世界:摩擦から共生へ)を開催し、そのセッションA"The Pacific and Pacific Rim : Evolution and Representation"(太平洋世界-その生成と表象-)において、アリフ・ダーリクデューク大学教授、マーガレット・ジョリーオーストラリア国立大学教授を招き、研究代表者(瀧田)の司会により、研究分担者有賀夏紀、総括班から遠藤泰生、コメンテイターとして船曳建夫教授(文化人類学)の参加を得て、太平洋地域の文化について討論をおこなった。これまでわが国では、どちらかといえば環太平洋として文化圏を想定することが多かったのに対し、このセッションにおいては環の中そのものに注目しようとした点に大きな特徴があった。このことは、ダーリク教授の問題提起的報告のタイトル"East-West/North-South/Inside-Out"によく表れている。Inside(内側)をみようという姿勢は、ジョリー教授の"Imagining Oceania : Indigenous and Foreign Representations of a Sea of Islands"で強調されたIndigenous(土着的なもの)と響きあう。 シンポジウムで触発された「土着的なもの」について研究班はその後つっこんだ議論をした。(1)このテーマをアメリカの問題と交錯させ、さらに、(2)文化のグローバリゼーションとアジア・太平洋地域の「土着的なるもの」との重大な関係に発展させる。(1)に関しては、ネイティヴ・アメリカンの文化と文学について13年1月に専門家を交えて研究会をおこなった。(2)に関してはハリウッド映画がロマンティック・ラヴを強調することでタイの独自の文化伝統を破壊しているかについて2月の全体会議で発表した。これらの成果をふまえ、今後もこの「土着的なるもの」とアメリカの文化接触について、アジア・太平洋地域に研究を展開する予定である。
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