研究課題/領域番号 |
10201206
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
滝田 佳子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40154950)
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研究分担者 |
有賀 夏紀 埼玉大学, 教養学部, 教授 (20114358)
恒吉 僚子 東京大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (50236931)
能登路 雅子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70164712)
廣部 泉 名古屋大学, 言語文化部, 助教授 (80272475)
藤田 文子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (50147005)
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キーワード | アメリカ / ジェンダー / 文化変容 / エスニシティ / アジア系アメリカ人 / アメリカ文学 / 比較文化 / 多文化主義 |
研究概要 |
平成13年度文化接触・文化融合班は、ジェンダー、文化変容、教育のそれぞれのグループにおいて以下の成果をあげた。まずアメリカにおけるジェンダー論の第一人者である、ナンシー・コット教授(Yale University)との研究会を開催し、女性史研究の現状を議論するとともに、日本における研究者との意見交換をした。また研究代表者を中心にジェンダー・グループが編者となり『ウイメンズ・アメリカ 論文編』を翻訳出版した。 文化変容研究においては、日系アメリカ二世の代表的作家であるワカコ・ヤマウチ氏が自作の戯曲上演のため来日されたのを機に討論を持てたのが大きな収穫であった。"And the Soul Shall Dance"は移民研究と文学研究の双方からアプローチすべきトランスナショナルな作品である。アメリカで書かれた英語による作品の本邦初公演に際し、日本語と英語を使いわけることにより、一世と二世のアメリカ化の差異を表現できる日本という場の重要性があらためて浮き彫りにされることにもなった。収容所体験を持つ二世の高齢化していく現在、日系アメリカ人の文化研究は緊急の仕事として次年度につなげていく。 教育グループは、米国での同時多発テロ以来世界の関心事となったイスラム文化について、マレーシアのロスナニ・ハッシム教授との研究会をもった。グローバリゼーションのマレーシアにおける影響とイスラム教育の問題は、当班のテーマでもあるインデイジナスなものが共同体においてどのように変容するかという問題とも交錯し、きわめて興味深い議論となった。アジア諸国でのアメリカ文化の意味について、これまで調査したタイに続いてマレーシアでも現地調査を研究分担者(恒吉)が行い、貴重な成果を得た。 年度末には、2年後の出版計画にむけて、文化班として考察すべき分野、調査すべき地域を再検討した。それぞれ課題を持って最終年度にむけて準備を開始している。
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