研究課題/領域番号 |
10202205
|
研究種目 |
特定領域研究(B)
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
高阪 宏行 日本大学, 文理学部, 教授 (60092516)
|
研究分担者 |
関根 智子 日本大学, 文理学部, 副手 (90297763)
荒井 良雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50134408)
|
キーワード | GIS / インターネット / 明治期 / 人口分布 / 地形図 / 生活環境 / 衛星画像 / 土地利用 |
研究概要 |
本年度の研究では、まず、今後の研究のために地理情報システム(GIS)の立ち上げを行った。このシステムはESRI社のArclnfo V7.1.2を中核として、そのビューアであるArcView V3を周辺に配置している。Arclnfoではさまざまな空間分析を実行し、ArcViewでは地図のデジタル化、表示、およびデータ処理を行う。 研究実績としては第1に、情報ネットワークを通じての対話的地図作成システムを構築するための研究がなされた。これはインターネットGIS(あるいはウェッブGIS)と呼ばれるもので、日本の都道府県単位の統計データを使って統計地図をインターネット上で対話的に作成するシステムの構築を目指し基礎研究が行われた。第2に、都市の物的空間構造の長期的把握のためのGISデータの構築を目指して、歴史的空間データの復元を行う手法の開発を進めている。具体的には、明治初期から中期に作成された2万分の1地形図(「迅速図」、「仮製図」、「正式図」)に記載された集落パターンを読みとって、現在の標準地域メッシュに対応させた人口分布データを推計する手法を構築した。現時点で、誤差率20%以下と長期的分析に耐えうる推計が可能になっている。第3に、居住地の生活環境を土地利用との関係から分析した。リモートセンシングによる衛星画像データから土地利用を分類し、土地利用の組み合わせと生活環境水準との間の関係を分析したところ、かなり強い相関があることが明らかになった。最後に、空間変動を記述する統計的手法として、クリギングを取り上げ地理的研究での応用の可能性を探った。その結果、この手法は、局地的変動をうまくとらえるとともに、データの推定誤差も地図上に表示できることが分かった。
|