研究課題/領域番号 |
10203203
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河野 公俊 東京大学, 物性研究所, 助教授 (30153480)
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研究分担者 |
川村 光 大阪大学, 理学研究科, 教授 (30153018)
矢山 英樹 九州大学, 理学研究科, 助教授 (60166840)
KIRICHEK Oleg 東京大学, 物性研究所, 学振外国人特別研究員
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キーワード | ヘリウム3 / 超流動 / 2次元電子 / イオン / プラズモン共鳴 / 表面励起 / 量子液体 |
研究概要 |
本研究は、超流動ヘリウム3薄膜の研究を目的とする。インターディジタル(ID)電極を用いたヘリウム膜の流動性を調べるための新しい方法のを応用した研究である。 ^3He薄膜での実験において、フィルムフローと呼ばれる超流動薄膜特有の現象が確認され、さらに系統的な研究を行うために、ID電極形状の修正と冷凍機の調整を行った。 2次元電子のプラズマ共鳴による超流動^3He表面の測定を行い、フェルミ系である^3Heとボース系である^4Heの間に大きな違いがあることが分かった。粒子の統計性がどのような機構によって表面の性質に反映されるのか、興味のある問題であるが、理論的な解決は得られていない。 He薄膜上2次元電子のマイクロ波伝導度測定は準備中であるが、プラズマ共鳴で培った500MHz領域の高周波測定の経験が役立つと考えられる。超低温領域のマイクロ波測定は多分に開拓的な要素があり、現在冷凍機の能力増強などの調整を行っている。 He液面下に蓄えられたイオンプールの伝導度測定を^3He中で行うことに成功し、超流動^3He表面プローブとしてその役割が期待される。^3Heでは^4Heと比較してイオンの移動度が極めて低く伝導度の測定自体困難なものとなる、パルス法と呼ぶ新しい測定方法を開発し、伝導度を定量的に測定する方法を確立した。この方法によって得た伝導度はバルクな液体中のイオン移動度の測定の結果と整合しており、超流動^3Heでの実験に期待が寄せられる。
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