• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

低次元フェルミ粒子系における特異な液体状態の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10203206
研究機関東京大学

研究代表者

小形 正男  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60185501)

キーワード低次元 / 朝永・ラッティンジャー液体 / 液体ヘリウム
研究概要

低次元とくに1次元という空間的制限のなかにおかれたフェルミ粒子系や液体ヘリウムの物理現象について、いくつかの問題について研究した。
1.1次元ヘリウム3のフェルミ粒子系で実験的に実現される2層系の場合、どのような状態が実現するか変分法によって調べた。その結果、2層目のヘリウムの密度によって、磁気特性が異なる3つの状態が実現する可能性を見出した。3つの状態とは、フェリ磁性的なもの、朝永・ラッティンジャー液体状態、およびスピンギャップ状態である。今後は精密な数値計算によって、この予想を確かめることを行う予定である。
2.有機伝導体も1次元フェルミ粒子系の1つの例であるが、そこにおいて電荷密度波とスピン密度波とが共存する可能性があることを示した。このような共存のメカニズム、温度依存性などを調べた。
3.1次元系ではフェルミ粒子系とボース粒子系が類似の振舞いをする可能性がある。実験的にも両者の比較ができるために、興味深い問題である。これについて、ボース粒子(例えばヘリウム4)間に強い短距離斥力が働く場合のグリーン関数のふるまいを調べた。その結果、フェルミ粒子の場合のフェルミ面的なものがボース粒子系においても出現することを見出した。今後はさらにグリーン関数の特異性の羃乗則などを調べ、解析的な方法との比較等を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] M. Ishihara: "Spectral functions of one-dimensional Electron systems with Ising-like spin gap"J. Phys. Soc. Jpn.. 68. 350-353 (1999)

  • [文献書誌] M. Ogata: "Coexistence of SDW and purely-electronic CDW in quarter-filled organic conductors"Synth. Metals. 103. 2242-2243 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi