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1999 年度 実績報告書

超流動^3He薄膜系の境界効果とA-B相転移の理論

研究課題

研究課題/領域番号 10203209
研究機関広島大学

研究代表者

永井 克彦  広島大学, 総合科学部, 教授 (90034743)

研究分担者 長登 康  広島大学, 総合科学部, 助手 (60294477)
東谷 誠二  広島大学, 総合科学部, 助手 (70304368)
キーワード超流動^3He / 薄膜 / サイズ効果 / 表面散乱 / ABM状態 / BW状態 / 超流動密度 / 第3音波
研究概要

本研究の目的は,超流動^3He薄膜の境界効果,サイズ効果について調べ,バルク状態とは異なった新奇な状態の可能性を探るとともに,その研究に必要な理論的方法を開発することである.超流動^3Heで実現している異方的クーパー対の性質は,壁の性質によって大きな影響を受ける。われわれは,壁による準粒子の散乱について,鏡映的散乱から散漫的散乱までを統一的に議論できる理論を開発した。本年度は,膜厚を薄くすることによって生じるA-B転移と,A-相薄膜の超流動密度の計算を行った.
A-B転移については準古典的グリーン関数法を用いて,秩序パラメータの自己無撞着解を求め,転移が2次転移であることを明らかにした.この場合,壁の性質の影響は比較的小さく,常圧ではおよそ750nm程度の膜になるとB-層はもはや実現しないことがわかった.
膜の超流動密度については,超流動速度場に対する質量流を準古典的グリーン関数法を用いて線形応答で計算する方法で行った.その際,バーテックス補正が重要であることを明らかにした.超流動密度の場合は壁の性質の影響は極めて大きい.第3音波の実験結果と比較すると,散漫的散乱を仮定すると膜厚が300nm程度の場合は実験とよく一致することがわかった.^4He膜のコーティングによって壁の境界条件を変化させた場合の実験が進行中でありその結果が待たれる.
理論的には,薄い膜の中でも質量流の大きさが場所によって大きく変化しているという興味ある結果が得られた.これはバルク系では見られない興味ある現象である。第3音波の伝播を動力学の立場から調べていく必要がある.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Nagato, K.Nagai: "A-B Transion of Superfluid ^3He in a Slab"Physica B(Proceedings of LT22). (in print). (2000)

  • [文献書誌] M.Yamamoto, K.Nagai: "Superfluid Density of ^3He Film"Physica B(Proceedings of LT22). (in print). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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