研究課題/領域番号 |
10204201
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
本堂 武夫 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (60109494)
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研究分担者 |
深澤 倫子 日本学術振興会, 特別研究員
堀 彰 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (60280856)
成田 英器 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (20001662)
藤田 秀二 北海道大学, 工学研究科, 助手 (30250476)
前 晋爾 北海道大学, 工学研究科, 教授 (80022672)
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キーワード | 氷床コア / 古気候 / 古環境 / クラスレート・ハイドレート / レーダーエコーサウンディング |
研究概要 |
本計画研究では、(1)氷床における物理過程を微視的なレベルで解明し、系統的・理論的に記述すること、(2)物理過程が気候・環境変動シグナルに及ぼす影響を明らかにすることおよび物理解析データから新たな気候・環境変動シグナルを抽出すること、(3)南極氷床の変動史を再現すること、の3点を目的として研究を進めてきた。 (1)に関しては、クラスレート・ハイドレートの生成過程とそれに伴う大気組成気体の分別過程を解明したこと、ドーム位置に特有な氷結晶組織の発達過程を解明したこと、氷床の電気的性質を明らかにしこれを新たなレーダー・エコー・サウンディング法の開発に発展させたこと、および長時間のエージングで現れる新たな氷の構造が見つかったこと、などの成果を上げた。(2)に関しては、大気組成復元に及ぼす気体分子の拡散の影響を明らかにしたこと、気泡やクラスレート・ハイドレートの分布から新たな堆積速度の推定法を見出したこと、新たに開発した交流電気伝導度プロファイル法で大気環境の変動を検出し得ることを明らかにしたこと、氷床内部の反射層の原因を特定する2波長探査レーダーの開発を行なったこと、などの成果を得た。(3)に関しては、南極氷床の三次元流動シミュレーションを行ない、気候変動とリンクした氷床変動を明らかにしたこと、およびドーム位置における流動を精密に再現するために、転位クリープと拡散クリープの両方を考慮した流動モデルの開発を行なったこと、などの成果を得た。
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