研究課題/領域番号 |
10204202
|
研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
庄子 仁 北見工業大学, 工学部, 教授 (50201562)
|
研究分担者 |
上田 豊 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (80091164)
亀田 貴雄 北見工業大学, 工学部, 講師 (00233974)
高橋 修平 北見工業大学, 工学部, 教授 (50125390)
中尾 正義 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助教授 (90142695)
|
キーワード | 氷床コア / 気候変動 / グリーンランド深層コア / クラウディー・バンド / 地球環境 / 氷結晶 / 氷の三軸圧縮試験 / 不純物効果 |
研究概要 |
昨年度に引き続き、NGRIP/GRIPコアの物理解析および力学試験が行われた。 1)静水圧加圧条件下で行った一軸圧縮試験の結果では、実験温度-18℃で再結晶の発生が観察された。氷の再結晶は、通常-10℃以上の高温で観察されており、この実験結果は極めて大きな歪エネルギーの蓄積が起こったことを意味している。このことは、氷床深部の高静水圧状態から氷床表面の常圧下へとコア採取する際の圧力変化に伴う結晶組織(方位分布)の変化を議論する時に重要である。 2)NGRIPのクラウディーバンド画像から得られたグレーバリュー曲線と電気伝導度曲線(DEP)を比較した結果、両曲線の間に正および負の相関が有ることが判った。DEP値は、氷に含まれる不純物により酸性度が高まると増加することが知られている(正の相関)。今回明らかになった負の相関の存在は、従来の考えでは解釈できないことであり、今後、化学分析を含めた詳細な解析が必要となった。 3)採取直後のコアに含まれる気泡の内圧は、採取深さの静水圧とほぼ同じであるため、この試料を常圧下で変形実験する場合、気泡周辺部での局所的変形が同時進行することになる。この気泡変形がマクロな氷の硬さに及ぼす影響を調べるため人工的に差圧を持つ気泡入りの試料を作成して実験した。その結果、差圧が数〜200気圧程度では、氷の流動硬さに影響のないことが判った。
|