新しいパラダイムとしてのアルゴリズム工学:計算困難問題への挑戦

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 10205101
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 茨木 俊秀 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50026192)
• 研究分担者: 藤重 悟 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (10092321) ; 山下 雅史 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (00135419) ; 杉原 厚吉 東京大学, 情報理工学系研究科, 教授 (40144117) ; 浅野 孝夫 中央大学, 理工学部, 教授 (90124544) ; 五十嵐 善英 群馬大学, 工学部, 教授 (60006260)
• キーワード: アルゴリズム工学 / 計算の複雑さ / アルゴリズム / 組合せ問題 / グラフ・ネットワーク / 計算幾何学 / 並列分散アルゴリズム

研究概要

本特定領域研究の主な目的は、アルゴリズムの方法論と技術を体系化し、解決を求められている多くの問題に対し、汎用性と柔軟性に富む高性能アルゴリズムの開発を可能にするための工学を構築することである。本特定領域研究の活動は平成12年度に終了し、今年度はその成果取りまとめに当てられている。今年度行った主な活動は以下の通りである。
1.公開シンポジウム「アルゴリズム工学」の開催
本特定領域研究の成果を広く一般に公表するため、平成13年10月に公開シンポジウムを開催した(協賛:電子情報通信学会、情報処理学会、日本オペレーションズ・リサーチ学会)。広報活動の一環として、ポスターの作成も併せて行った。
2.成果報告書の作成
研究成果の詳細を、最終報告書としてまとめた。成果報告書には、各研究グループの研究組織、補助金額、研究成果、発表論文一覧などが掲載されている。
3.アルゴリズム・データベース
本特定領域研究で得られた成果を一般に還元するため、研究の中で開発されたソフトウエアをデータベースとしてまとめ、自由にダウンロードできるようホームページ上での公開を進めた。現在、60本以上のデモプログラムおよび各種アルゴリズムのソースコードが登録されている。

研究成果

• [文献書誌] S.Fujishige, S.Patkar: "Realization of set functions as cut functions of graphs and hypergraphs"Discrete Mathematics. 226. 199-210 (2001)
• [文献書誌] M.Yagiura, T.Ibaraki: "Efficient 2 and 3-flips neighborhood search algorithm for the MAX-SAT : Experimental evaluation"Journal of Heuristics. (To appar).
• [文献書誌] K.Murota, A.Tamura: "New characterizations of M-convex functions and their applications to economic equilibrium models"Discrete Applied Mathematics. (To appar).
• [文献書誌] R.Yoshikawa, S.Guo, Y.Igarashi, K.Motegi: "Construction of secret key exchange spanning trees by random deals on hierarchical structures"IEICE Tran. Fundamentals. E84-A・5. 1110-1119 (2001)
• [文献書誌] M.Yamashita, H.Umemoto, I.Suzuki, T.Kameda: "Searching for a mobile intruder in a polygonal region by a group of mobile searchers"Algorithmica. (To appar).
• [文献書誌] K.Iwama, Y.Kambayashi, S.Miyazaki, Y.Morita: "New bounds for oblivious mesh routing"Journal of Graph Algorithms and Applications. (To appar).
• [文献書誌] 杉原厚吉, 茨木俊秀, 浅野孝夫, 山下雅史(編): "アルゴリズム工学"共立出版. 280 (2001)